【読者に答える!京都市財政】
財政が改善されて安心したのである。
でもなぜ、こんなに早く改善できたのかにゃ?
(しらべる堂看板猫 ワガハイ)
市民の皆さんからも「短期間で改善した理由が知りたい」という声も届いておる。
(京都のまちを見守る 鍾馗はん)
今回は、京都市の財政状況について、「とにかく分かりやすく」をテーマに調べていきます!
(しらべる堂店主 つかさ)
そもそも…
ちょっと前には、「京都市は改革をしなければ財政破綻するかもしれない」と聞いてたような気がするのである…
確かにそういう状態の時もあったんじゃ。
まずは、改善の理由を見る前に、コロナ禍より前から今までの財政状況を見ていくぞい。
◇一般財源(注)の収入と支出の推移
※グラフは本紙をご覧ください。
京都市では、これまでから福祉など全国トップレベルの独自施策を維持・充実してきました。一方で、国から各都市に配分される地方交付税の大幅な削減などを受け、支出が収入を上回る赤字の状態が続いていました。
その中で、突然のコロナ禍となり、大幅な市税の減収が見込まれ、何も改革をしなければ、財政破綻しかねない状況に。
市民や事業者の皆さまのご理解・ご協力の下、2021年度に行財政改革計画を策定し、取り組みを進めた結果、2022年度の決算は黒字となりました。
収支が改善したのは分かったけど、他の都市と比べたら、京都市の収支はどうなのかにゃ?
今年度は約半数の大都市(政令市)が、以前の京都市のように、借金返済のために積み立てたお金などで赤字の埋め合わせをしているけど、京都市は埋め合わせをせず、黒字なんじゃぞ。
大幅に削減されていた地方交付税については、改めて国に熱心に要望。
結果、必要額を確保することができました。
次に、財政を短期間で改善できた2つの大きな理由について説明します。
■改善の理由(1) 収入の確保
年々、大都市(政令市)との市税収入の差も小さくなってるのである!
▽市税収入の想定と実際
※グラフは本紙をご覧ください。
国や府と連携した市民・地域企業の下支えなどの結果、見込んでいた大幅な市税収入の減少を回避。観光客の回復によって宿泊税も順調に回復し、2022年度には、過去最高の3119億円の市税収入となりました。
グラフに含まれない収入も増加
▽ふるさと納税寄付金
京都ならではの返礼品を充実させ、2022年度には、95億円と過去最高を更新。
(注)国は5.4%減、京都市は京都経済の多様性を踏まえて4.7%減を想定
リーマンショックの経験から、コロナ禍では、全国的に大幅な減収注が見込まれていたんじゃぞ。
京都市は大学生や高齢者の人口割合が高いことなどから、他の大都市よりも1人当たりの市税収入が低い傾向にあります。
そのため、市民所得の向上やまちの活性化などに長年取り組み、大都市平均との差が縮小しました。
■改善の理由(2) 支出の見直し
ここでは、支出の見直しの多くを占める人件費の削減について見ていくのである。
▽2021・2022年度の2年間で51億円削減!
[職員数] 2年間で「324人」削減
[働き方改革] 2022年度の残業時間は2019年度比「28%」縮減
人件費の削減の他にも、市民・事業者の皆さまのご理解・ご協力の下、京都市独自の施策が持続可能なものとなるように、1つ1つ丁寧に見直し、再構築しました。
[市の職員数の推移]
※グラフは本紙をご覧ください。
京都市では、これまでから、市民の皆さまの命と暮らしを守るための行政サービスの維持に必要な体制をしっかりと確保しながら、徹底した業務の効率化や委託化・民営化などを推進。この16年間で4120人の職員数を削減し、年間330億円の人件費削減の効果をあげています。
長い期間で見ても、人件費を削減していたんじゃな。
長年の取り組みの成果により、2022年度の決算が黒字につながったんじゃな。
皆さまのご協力による77億円の黒字は、過去負債の返済や市民生活を守る物価高騰対策、子育て支援などにしっかり生かしていくぞい。
持続可能な行財政を続けていくためには、これからの取り組みが重要になります。
さて、本日のしらべる堂はこれにて閉店。
またのご利用をお待ちしております!
またね~
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