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教育支援委員会寄稿

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京都府伊根町

■「良き友を得んと思わば、良き友となれ」
伊根町立伊根中学校 校長 角野晴彦

「良い友だち、本当の友だちがほしい」とは、誰しも願うことでしょう。本当の友だちというのは、たくさんはいりません。いや、たくさんできるものではありません。
「真の友」を得る、「本当の友だち」をつくるということは、逆の面から言えば、自分自身が、相手にとって「真の友」「本当の友だち」になるということだと、私は思います。「本当の友だち」というのは、見つけるのも難しいですが、自分がなるのもとても難しいことです。
仏陀(ぶっだ)、お釈迦(しゃか)さまは、仏陀の教えを述べた『因果経(いんがきょう)』というお経の本の中で、「本当の友だち」とは、どういう人間であるかについて書いています。それによると「朋友(ほうゆう)に三つの要素あり。一には、過ちあるを見ればすなわち相諫(あいかん)す。二には、好き事あるを見れば深く随喜(ずいき)を生ず。三には、苦危(くき)にあるとも相棄(あいす)てず。」とあります。
つまり、朋友、友だちという人間関係は、三つの要素によって成り立っている。その一つは、友だちに間違いがあったら、見て見ぬふりなどせずに、きちんと忠告し合うこと。二つ目は、友だちに良いことがあったら、うらやましがったり妬(ねた)んだりせず、心から一緒に喜び合うこと。三つ目は、友だちが苦しい目にあっているときは、見捨てたりせず、一緒に苦しみ助け合うこと。この三つの要素があって初めて朋友といえると言っているのです。2000年以上も前の本ですが、今でも十分に通じることが書かれています。
こういう友だちが、たとえ一人でも得られれば、すごく幸せなことだと思います。自分の友だちにそうなってくれるように願うだけでなく、自分自身がそういう友だちになれるよう努力したいものです。「良き友を得んと思わば、まず良き友となれ」です。
仏陀の言う、「真の友」の三要素について述べてきましたが、この三要素は、子どもに対する親や教師の対応にもつながると思います。子どもが過ちをおかせば、しっかり注意する。子どもに良いことがあったら、一緒に喜ぶ。子どもが苦しんでいたら、一緒に苦しみ助ける。こうした姿勢を大切にしたいですね。

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