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自治体の皆さまへ

相楽医師会から市民の皆さんへ シリーズ健康エッセイ vol.120

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京都府木津川市

◆メタボ、ロコモ、そしてフレイルへ
吉村医院 吉村 陽 医師
メタボ、ロコモ、フレイルという言葉を耳にしたことがありますか。
「メタボ」は、メタボリックシンドロームの略で、内臓脂肪が蓄積し、脂質異常、高血糖、高血圧になり、動脈硬化を促進させます。内臓脂肪症候群などと言われていたこともあります。内臓脂肪は、消費するエネルギー(運動)よりも供給するエネルギー(食事)が多くなると蓄積されます。若いころからの生活習慣が影響し、中年に悪化し、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。
「ロコモ」はロコモテイブシンドロームの略で、「運動器症候群」とも言われます。「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」を表します。運動器の疾患や加齢に伴う運動器の機能低下が原因ですが、肥満や運動機能低下による非活動性が更に症状を悪化させます。初老期以降に骨(骨粗しょう症)、関節(変形性関節症)、筋(サルコペニア)の障害として発症し、フレイルの一因となります。
「フレイル」は加齢により心身が老い衰えた状態を表します。適切な介入・支援による、生活機能の維持向上が可能な健康な状態と、日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。フレイルになると身体的(低栄養、運動器障害など)、精神・心理的(うつ、認知症など)、社会的(閉じこもり、孤立など)問題も引き起こされます。低栄養・体重減少から筋量が減少するサルコペニアが中核要因となります。体重減少、疲労感、活動量低下、歩行速度低下、握力低下のうち3つ以上に当てはまる場合はフレイル、1つ又は2つに当てはまる場合はフレイル前段階と考えられます。多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられています。
中年まではメタボ対策が重要です。ロコモ対策のためにも運動習慣をつけましょう。熟年には将来サルコペニアに陥らないように運動に励みましょう。老年に入れば、フレイル対策のために、細めの人はしっかり栄養を取り、太めの人も細めの人も運動をしっかり頑張り、健康寿命を延ばしましょう。

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