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緑の伝統(2)

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京都府福知山市

■若手 新規就農者に聞く
◆森口(もりぐち)あおいさん(27)
大阪府出身。大学卒業後、コロナ禍を機に夫と二人で農業の世界へ飛び込むことを決意し、三和町川合のお試し住宅に移住。その後、同町中出の古民家に移り住み、2年前から先輩農家に栽培方法を学びながら、自身も万願寺甘とうをつくっている。

○地域のブランドを守り自身も生計を立てる
「移住当初は、万願寺甘とうも三和ぶどうも全然知らなくて…それでも『何とかなるやろ!』の精神でした」
現在は補助金を活用し、農業を学びながら生計を立てています。
せっかく福知山に来たからには万願寺甘とうのブランドを守りたいと話す森口さん。
「地域の伝統を守る誇りを持ちながら生計も立てられる。お金になりにくい農業の世界で、万願寺甘とうのブランドと市場価格を守り続けてくれた生産者の先輩方には感謝しかありません」

○支えてくれる周りの人へいつか恩返しを
毎朝5時から子どもたちの起床時間までは、自身の畑の作業時間。家に戻り学校へのお見送りを済ませた後は、先輩農家の農場を手伝いながら技術を学びます。午後は再び自身の畑で万願寺と向き合う忙しい日々。
「好きじゃなかったら続けられないと思います。友達にも『私にはできない』と言われました(笑)」
再来年にはハウスを建て、夫婦二人で本格的に農業を始めるため準備を進めています。
農家の先輩方の助けがあってはじめて農業ができると森口さんは話します。
「作業中、近所の人が見に来てくれては、『いつもがんばっとるなあ』と声をかけてくれたり、ジュースを持ってきてくれたり、本当によくしてもらっています。どうやったら恩返しができるかな」
目の前に広がる自然を眺めながら地域を思う森口さん。先輩から受け取った伝統とブランドのバトンを、今、未来へ受け継いでいきます。

◆吉見卓也(よしみたくや)さん(37)
愛知県で会社員として働き、体調を崩したことをきっかけに地元・福知山へUターン。おすすめの食べ方は、「万願寺甘とうの揚げ浸し」。肉厚でジューシーな万願寺甘とうと「だし」の相性は抜群なんだとか。

○農業はものづくりに通じる試行錯誤の毎日
学生時代からものづくりが好きだったという吉見さんは、大江町北有路にある祖父の畑を継ぎ、万願寺甘とうを中心に様々な野菜を栽培しています。
「失敗の中にいくつか成功があると、うれしいんです」
より多く、より良いものが収穫できるように、アイデアや工夫を凝らし、毎日試行錯誤を繰り返しています。
「農業はものづくりに通じる部分があるので、この生活は楽しいです。楽しくないとできないですよ」
想定外や失敗もよくあること。でも、食べた人に美味しかったよと言ってもらえることが、何よりのモチベーションだと話します。
「品種改良を経て美味しくなった万願寺甘とうは、いわば完成された商品です。どこへでも自信をもって出すことができます」
今後は、ハウスの拡大や、よりよい栽培方法の研究に取り組むという吉見さん。試行錯誤の毎日は、これからも続いていきます。

問合せ:農林業振興課
【電話】24-7044【FAX】23-6537

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