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特集 続・マナビのイノベーション -学校教育の現在と未来-(2)

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京都府福知山市

■Interview
デジタル×アナログの融合で子どもたちの力を伸ばしたい

大正小学校 教務主任
小寺恭輔(こてらきょうすけ)さん

◇データ分析に基づく指導で学びを個別最適化
大正小学校の小寺恭輔さんは、デジタルドリルや学習履歴分析ツールの活用により、子どもたちの〝個別最適な学び〟が進んでいると話します。
「例えば、Aさんのデジタルドリルでは、Aさんの誤答が多い分野に特化した問題が多く出題されます。さらに、学習履歴分析ツールを使うと、個人やクラス全体の正答率がグラフ化され、ぱっと見ただけで理解度が視覚的に分かるんです。授業においても、理解度が高い分野では『よりレベルの高い話をしよう』とか、正答率の低い範囲は『もう一度重点的に説明しよう』といった判断ができます。根拠があることで、担任も自信をもって指導にあたることができるのは大きいですね」

◇日々の健康観察とツールで子どもたちの心の声に気付く
大正小学校では、昨年末から心の可視化ツール「すくすく」も導入しています。
「子どもたちの表情や声の調子を教室で確認する日々の健康観察は変わらず大切にしています。ただ、直接言えない思いを持っている子どもたちの〝心の声〟を集めるツールとして、とても効果を感じています。過去の事例として、喧嘩をして指導した子へ、後日『どうや?』と声をかけると『大丈夫』とは言うものの何か様子がおかしい。すくすくを見ると、指導をした日から〝モヤモヤ〟が続いていることが分かり、次のアプローチが必要だと気づけたことがありました。高学年になるにつれ、周囲に気を遣ったり、直接気持ちを伝えにくかったりする児童が出てくるので、担任はもちろん、養護教諭など全教職員が一緒になって、子どもたちの細かな心の動きに気付けるよう心がけています」

◇子どもたちの確かな学びへ公立大学と共に歩む
福知山公立大学との連携について、小寺さんは、ツール開発者との近さと小回りの良さが他市にはない強みだと話します。
「両ツールは、福知山の小中学校のために開発されていて、大学が学校現場と共に歩みを進めてくれていることがとてもありがたいです。普通、大手の開発会社だったら少し使いにくいなと感じても直接伝えられませんから。大学が専門性をもってサポートしてくださるので、私たちは子どもたちへの直接指導に専念できます」
子どもたちが「なりたい自分になる」ためには、確かな学力と非認知能力、それを育む環境が大切だと小寺さんは締め括ります。
「点数だけでなく、人との関わりの中で答えのない新しい答えを生み出す力こそが、子どもたちの自己実現につながります。こういった温かみのある教育を効果的・効率的にしてくれるのがICT。デジタルとアナログを融合させた教育で、これからも子どもたちの力を伸ばしていきたいです」

問合せ:学校教育課
【電話】24-7040【FAX】24-4880

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