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特集 続・マナビのイノベーション -学校教育の現在と未来-(1)

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京都府福知山市

本市では、2021年から小中学校の全児童生徒に1台ずつタブレット端末を配備し、福知山公立大学と共同開発した2つのデジタルツールの試行運用を通じて1人ひとりの学力や心の状況を「見える化」する、福知山ならではのICT教育「ラーニングイノベーション・プロジェクト」を進めています。
今月号では、子どもたちが、今後ますます多様化・高度化していく社会を生き抜くために必要な力は何か、また、そのために求められる学びの環境とはどのようなものか、学校現場に立つ現役教員へのインタビューを通じて、学校教育の現在と未来をひも解いていきます。

ICT教育とは、電子黒板やパソコン、タブレットなどのデジタル機器を導入し、インターネットを介した学習支援ツールを活用した教育のこと。
本市では、福知山公立大学と共同で、本市ならではのICT教育「ラーニングイノベーション・プロジェクト」を進めています。
本プロジェクトでは、1人に1台配備されたタブレット端末とデジタルツールを用いて児童生徒の学習履歴や心の状況の可視化に取り組んでいます。

■学習履歴や心の状況をICTで〝見える化
福知山公立大学と共同開発した2つのツールのうち、学習履歴分析ツールでは、端末上での児童生徒の学習履歴をもとに、匿名化したデータを大学・教育委員会・学校が分析・共有することで、個別の課題への指導改善だけでなく、市全体の学力向上に活用することができます。
また、心の可視化ツール「すくすく」では、児童生徒の心や体の状況を端末から収集し、担任教員が把握することができます。
これは、文部科学省の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策COCOLOプラン」が掲げる、担任教員が児童生徒の小さなSOSに早期に気づくための「心の健康観察」に関する先行的な取り組みです。
2023年度は市内の小中学校で試行的に導入していたこれらのデジタルツールを、学校からの意見をもとにさらなる改良を加え、2024年4月から、実施校の範囲を拡大して広く運用します。

■〔福知山公立大学独自開発〕市単位での学力傾向を把握 学習履歴分析ツール
タブレットの画面上で計算問題や漢字の練習ができる「デジタルドリル」では、自動採点機能によって教員の負担が軽減されるだけでなく、担任教員が学級全体の学習状況を可視化して把握することができます。
また、福知山公立大学が開発した匿名化ソフトを用いて児童生徒全員の学習履歴や正答率のデータを蓄積・分析することで、市全体の学力や習熟度を一括で把握できるようになりました。福知山公立大学・教育委員会・学校現場の3者が連携し必要な情報を共有することで、指導方法の改善や、個人・市全体の学力向上につなげます。

○学校現場からの声
クラスの正答率が実施日ごとにグラフ化されて視覚的に分かるので、苦手な教科や学習内容、日ごとの授業理解度を調べたいときに活用できる!

■〔福知山公立大学独自開発〕毎日の“心”や“気持ち”を見える化 心の可視化ツール
現在、市内の小中学校で試行的に導入し、2024年度から本格導入を予定している心の可視化ツール「すくすく」では、児童生徒がその日の心の状況や気持ちをイラストや言葉で入力。担任教員や養護教諭などは、クラス全体の心の状況や、児童生徒それぞれの一定期間での心や体調の変化を把握することができます。
気になる児童生徒には個別に声かけをすることで、さらなる児童生徒理解や不登校予防につながることが期待されます。

○学校現場からの声
このツールの活用により、心配な状況が続いた生徒に個別に聞き取りを行ったことで、抱えている不安や悩みをつかみ、解決に向けた働きかけができた!

福知山公立大学と連携したICT教育ラーニングイノベーション・プロジェクトを特集した広報ふくちやま2021年6月号「マナビのイノベーション」はこちら
※詳しくは本紙をご覧ください。

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