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自治体の皆さまへ

戦後78年 平和を考える

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京都府綾部市

終戦から78年。戦時中のことを知る人が少なくなっています。一方、世界ではまだ戦争や紛争の惨禍が続き終わりは見えません。本市は、「平和」を市是に掲げ、関係機関が連携し、世界平和に向けた取り組みを行っています。この機会に、あらためて平和について考えてみませんか。

■戦争ほど悲惨なものはない
◇写真でしか知らない父が眠る島へ
2歳のとき、陸軍にいた父を南太平洋のブーゲンビル島で亡くした熊内さん。現地で遺骨収集に携わった自身の経験から平和への思いを語ってくれました。
「父の眠る地に一度行きたい」。定年退職後、写真でしか知らない父への思いが募り、初めてブーゲンビル島の地を踏んだのは平成31年のこと。夫であり、現在市遺族会の会長を務める輝夫さんの「悔いのないように行ってきなさい」という言葉に背中を押され「家族の理解と協力がなければ叶わなかった」と振り返ります。

◇遺骨を手に取り涙あふれる
ジャングルをかき分け、熊内さんらがたどり着いたのは旧日本軍の野戦病院跡地でした。「赤いリボンでしるされた場所を掘り起こすと、出てきたのは遺骨のほか、軍服のボタンや万年筆、薬瓶など。『佐藤』と書かれたせっけん箱もあった」と回想し、「十分な治療も受けられずに亡くなった兵士たちが埋められたと聞いた」と話します。
遺骨に付いた土を刷毛できれいに落とすとき、参加者全員で唱歌「ふるさと」を歌ったそう。「この中に父の遺骨が交ざっているかもしれないと思った。同時に、生きて祖国に帰りたかっただろう戦没者の無念を思い浮かべ涙があふれた」と目を潤ませました。

◇平和への願いつないで
「戦争の記憶はないが、貧しかったことは覚えている」と熊内さん。「私たちきょうだいに食べさせるために自分は食べなかった」と母をしのび「戦争は、遺族に悲しみと苦しみが残るだけ」と語気を強めます。
「戦争ほど悲惨なものはなく、平和ほど尊いものはありません。綾部市は、日本で初めて世界連邦都市宣言を行ったまち。また、市民憲章の1番目も平和。こうしたことを誇りに思い、これからも一人ひとりが平和への願いをつないでほしい」と話しました。

■平和への取り組み
[平和祈願の集い]
終戦の日の8月15日、藤山山頂にある平和の鐘の音に合わせ、戦没者の冥福と平和を祈り黙とうをささげます。
[市民学習会]
世界連邦運動への理解を深める学習会を開催。
[地球市民の集い]
平和と環境をテーマにした啓発イベントを実施。
[世界連邦推進綾部市小・中学生ポスター・作文コンクール]
次代を担う小・中学生に、平和の尊さを知ってもらい、世界連邦に対する関心と理解を深めるため、ポスターと作文を募集し表彰します。
[中東和平プロジェクト]
イスラエルとパレスチナの紛争で親族を亡くした若者たちを日本へ招き、相互交流を図る取り組み。平成15年に本市で初開催し、今年13回目の同プロジェクトが亀岡市で行われました。
[世界平和と難民救済のための自治体職員1人100円募金]
毎年、全国の自治体職員に募金を呼び掛け、国連UNHCR協会や日本ユニセフ協会へ寄託するほか、世界連邦運動の推進事業に活用。昨年と今年は、ウクライナ人道危機救援金の寄託も行いました。

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