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赤れんがパークの歴史を振り返る(その1)

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京都府舞鶴市

【~引き継ぎたい赤れんが物語~】
舞鶴市民の誰もが知っている「赤れんがパーク」。市民アンケートでも「市外の人におすすめしたい舞鶴の観光地や施設」の高校生部門第1位に選ばれています。元は海軍が武器や弾薬などを保管していた倉庫であり、過去には取り壊すことも検討されましたが、今では貴重な文化遺産として歴史を伝えるまちのシンボルです。多くの人が集う観光施設となっている赤れんがパークにつながる歴史を振り返ります。

▼赤れんがの歩み
○明治~大正~昭和(海軍ゆかりのまちとしての発展)
舞鶴の赤れんが倉庫群は、舞鶴鎮守府(明治34年開庁)の軍需品などの保管倉庫として、明治期から大正にかけて建設されました。市内には鎮守府開庁以降、赤れんが倉庫群以外にもさまざまな赤れんが建造物が建設され「海軍ゆかりのまち」として発展を遂げてきました。

○昭和~平成中期(保存と活用に向けた取り組みの始まり)
老朽化により取り壊しが予定されていた赤れんが倉庫の歴史的価値に着目し、昭和63年に保存・活用を考える市職員による自主研究グループが発足。赤れんが施設を活用したまちづくりが始まり、ライトアップや倉庫を活用したジャズコンサートが開催されるなど、一歩ずつ活用が進められ、平成5年には赤れんが博物館、平成6年には市政記念館がオープンしました。その後も多くのイベントなどで赤れんが施設が利用されるようになり、徐々に市民の中での認知度も高まりました。そして、平成20年には現存する赤れんが倉庫12棟のうち、7棟の倉庫と1棟の附(つけたり)の8棟が国重要文化財に指定され、平成24年にこれら文化財を活用した交流拠点施設として舞鶴赤れんがパークがグランドオープン。以降、多くの人々が訪れる舞鶴市を代表するスポットとなっています。

○平成中期~令和(官民連携による新たな可能性)
赤れんがの「保存」と「活用」を進める取り組みは、市内だけでなく、徐々に市外からも注目されるようになってきました。
文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通じて文化・伝統を語るストーリーを発信するために設けた「日本遺産」に、鎮守府の置かれた横須賀市、呉市、佐世保市、舞鶴市の「日本近代化の躍動を体感できるまち」のストーリーが平成28年に認定されました。赤れんがパークはその構成文化財として、舞鶴市の日本遺産のシンボルになっています。

さらに、平成29年12月、赤れんが倉庫群を中心として広がる「舞鶴の海軍施設と都市計画」が、日本イコモス国内選定委員会が選ぶ人類の歴史の重要な段階を物語る「日本の20世紀遺産20選」に選定され、市内外で赤れんがパークの価値が高まる中、これまで以上に近代化の歴史・文化を最大限に活用し、隣接する防衛施設との調和のとれたまちづくりを進めるため、令和元年度から防衛省の支援を受け(※1)「赤れんが周辺等まちづくり事業」に着手し、パーク周辺のハード面の環境整備を行っています。令和4年度からは行政だけでは難しいさらなるにぎわいを創出するため、公募設置管理制度(Park-PFI)(※2)を活用し、市と民間事業者((株)WOODY HOUSE)との連携による重要文化財を生かした施設の整備・運営を行っています。

※1…防衛施設が存在するという地域の特徴を活用し、自衛隊員などと防衛施設の周辺地域の住民との文化の交流や、地域の防災などのための活動の促進を企図したまちづくり事業に対する支援
※2…都市公園で飲食店、売店などの公園施設の設置や管理を行う民間事業者を公募により選定する制度

▼赤れんがを生かしたまちづくり変遷
昭和63年:自主研究グループが赤れんが倉庫に着目(以降、研究会、ライトアップなどを実施)
平成5年:赤れんが博物館オープン(1号棟)※当時取り壊し予定としていた倉庫を活用
平成6年:市政記念館オープン(2号棟)
平成19年:まいづる知恵蔵オープン(3号棟)
平成20年:「赤れんが倉庫群」国の重要文化財に指定
平成24年:舞鶴赤れんがパークグランドオープン(4・5号棟) 「まいづる観光ブランド戦略」策定→「赤れんが」・「海・港」をシンボルイメージに
平成28年:赤れんが周辺等まちづくり構想策定 日本遺産に認定(赤れんがパークは日本遺産構成文化財として登録) (鎮守府横須賀・呉・佐世保・舞鶴)日本近代化の躍動を体感できるまち
平成29年:赤れんが周辺等まちづくり基本計画策定 日本イコモス国内委員会から「日本の20世紀遺産20選」に選定 赤れんがパークを中心として広がる舞鶴の海軍施設と東市街地の都市計画
平成30年:赤れんが周辺等まちづくり実施計画策定
令和元年~:防衛省まちづくり支援事業を活用した周辺整備
令和4年:国指定重要文化財建造物舞鶴鎮守府倉庫施設保存活用計画策定
令和4年~:公募設置管理制度(Park-PFI)による新たな民間活力の導入による管理運営開始

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