文字サイズ
自治体の皆さまへ

《特集》認知症は自分事(1)

1/44

佐賀県伊万里市

認知症とは、さまざまな原因で記憶力や実行力、判断力が低下し、社会生活や日常生活に支障が出ている状態が6か月以上継続することです。
厚生労働省の調査によれば、2025年には65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症になると予想されていて、歳を重ねれば誰もが認知症になる可能性があります。
今回の特集では、認知症を専門的に相談できる機関や、認知症の人の介護をしている人の経験談などを紹介します。認知症について知識や理解を深め、認知症について『他人事』から極めて身近な『自分事』として捉えながら考えてみませんか。

■公益社団法人認知症の人と家族の会 『家族がつくった「認知症」の早期発見の目安』
ちょっと気になる!?まずはチェックしてみましょう!

・同じことを何度も言う・問う・する
・しまい忘れや置き忘れが増え、いつも探し物をしている
・財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
・料理・片づけ・計算・運転などのミスが多くなった
・新しいことが覚えられない
・話のつじつまが合わない
・約束の日時や場所を間違えるようになった
・些細(ささい)なことで怒りっぽくなった
・ふさぎ込んで何をするにも億劫(おっくう)がり、いやがる

↑このチェックは医学的な診断基準ではありませんが、暮らしの中での目安として参考にしてください。
いくつか思い当たることがあれば、かかりつけ医に相談をしましょう。

■認知症予備軍『軽度認知障がい』とは
◆軽度認知障がいは認知症ではありませんが、医療機関の受診は早めに
▽認知症の前の段階
皆さん『軽度認知障がい』のことをご存じですか。
軽度認知障がいとは、認知症ではなく『認知症になる前の段階で、健康な状態と認知症の間の段階』のことを言います。
記憶力が低下したり、新しいことが覚えにくくなったり、集中力が落ちるなど、認知症と同じような症状が見られることもありますが、日常生活は問題なく送ることができます。

▽この段階での受診がカギ
軽度認知障がいかもしれないと疑ったら、早めに医療機関を受診しましょう。この段階で対応できれば、症状の改善や、認知症への進行を遅らせることができると言われています。

▽症状は改善できます
軽度認知障がいと診断されたらどのように対処したらよいのでしょうか。
対処方法としては、趣味活動や人との交流で脳を活性化させ、また、食生活の改善や運動不足の解消など、生活スタイルを見直すことが大切です。

▽何よりも早く気付くことが大切です!

認知症予備軍の状態に気づかないまま放置すると、約半数の人が認知症になると言われています。

■認知症疾患医療センターが開設されました
佐賀県は『認知症疾患医療センター』として医療機関を指定していて、昨年、医療法人博友会 堀田病院(立花町)が県内5箇所目として指定を受けました。
認知症疾患医療センターとは、どのような施設で、どのようなことに取り組んでいるのかなどを、精神保健福祉士の高岡純(たかおかじゅん)さんに話を伺いました。

◆専門医療相談・面談・鑑別診断・治療方法選定
合併症などへの対応・関係機関との連携・治療・介護支援・研修会・情報発信
Q:認知症疾患医療センターの役割を教えてください。
A:認知症疾患医療センターでは次のことを行っています。
(1)認知症に関する専門医療相談
・認知症に関することについて、本人や家族からの電話相談や面談を受けています。
・保健・医療・介護の関係機関からの相談も受けています。
(2)認知症の鑑別診断・治療
・画像検査などで症状や所見が、認知症か認知症に似た症状を示す別の疾患なのかどうかの診断(鑑別診断)を行っています。
・診断結果を基に、今後の治療方針を本人と家族などと一緒に選定します。
(3)身体合併症・周辺症状への対応
・認知症の人で、身体合併症(高血圧、糖尿病など)や周辺症状(妄想、徘徊(はいかい)、暴力など)がある人への対応を行っていて、必要に応じてほかの医療機関に紹介をしています。
(4)関係機関との連携
・診断後は必要に応じて、本人や家族に同意を得たうえで、医療機関や市町、地域包括支援センターと連携をとりながら、治療や介護について支援を行います。
(5)研修会の開催
・かかりつけ医や介護関係者などを対象に認知症に関する研修会を開催しています。
(6)情報発信
・パンフレットを作成するなど、認知症に関する情報を提供しています。

Q:どういった検査をしていますか。
A:認知機能検査(設問)、血液検査などです。CT・MRI検査、脳血流シンチグラフィ(SPECT)は連携している医療機関で行っています。

◆相談は無料、本人でも家族でもいいので『認知症かも』と感じたらまずは相談を
Q:費用はどのくらいかかりますか。
A:相談は無料です。検査・診察代などが別途必要になります。費用については問い合わせください。

Q:認知症疾患医療センターにはどんな職種の人たちがいますか。
A:精神科医師、看護師、認知症ケア専門士、精神保健福祉士がいます。

Q:相談するタイミングを教えてください。
A:本人または家族などが『認知症かも』と感じたら、まずは相談してください。本人・家族からの電話での相談や面談も受け付けています。

Q:受診の流れを教えてください。
A:まずは日頃の様子を把握している、かかりつけ医に相談してください。相談したうえで、認知症疾患医療センターの受診を希望する場合は、次の受付時間に電話をしてください。検査や診察などは日時の調整を行います。

Q:そのほか、市民の皆さんに伝えたいメッセージをお願いします。
A:『認知症では』と感じたら、早めに相談してください。住み慣れた地域や自宅で安心して暮らすことができるように相談を受け、専門的に対応します。

受付時間:月曜日から金曜日までの午前9時〜午後5時
※祝日、年末年始(12月30日から1月3日まで)は休みです。

問合先:
・堀田病院【電話】23-3224(代表)
・認知症疾患医療センター【電話】29-8210(直通)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU