文字サイズ
自治体の皆さまへ

《特集》認知症は自分事(3)

3/44

佐賀県伊万里市

■エピソード2
夫を介護して7年目です。心の健康は『ひまわり会』との出会いで保たれています

▽毎日が本当に必死
夫が認知症になったのは7年前です。別の病気治療のために半年間入院をして、退院したときには認知症になっていました。ショックというよりは「仕方ない」と思いました。そして同じ頃に夫は足が悪くなって車椅子がないと生活できない状態になっていました。そんな夫の介護が自宅で始まってからは、毎日が本当に必死な日々でした。

▽居心地がよい場所
夫が認知症になってから4年目の頃でした。ケアマネジャーさんから『ひまわり会』を紹介され、思い切って参加しました。ひまわり会に参加しているうちに「ここでは飾らなくていいし、かっこつけなくていい。皆さんが理解してくれる。皆さん同じような経験をしている」と思うと、居心地のいい場所になっていきました。

▽絶えずけんかをした
夫はもともと頑固な性格で、認知症になってから、さらに頑固になりました。ご飯を食べず水分も摂らないうえに、薬も飲みませんでした。説得しようとしても言い合いになります。また、夫は新しい記憶はすぐに忘れるのに昔のことはよく覚えていて、急に昔の記憶をたどり這(は)ってでも外に出ようとするので、引き戻すのが大変でした。ほかにも何度も同じ話を質問してくるので「また聞くの」と、よくけんかをしていました。

▽夫のためにも元気でいる
そんな夫の様子を見て、近所の人から「ご主人が認知症になるなんて思っていなかった」と言われたことがありましたが、私は隠すことはせずにありのままを話すようにしています。
認知症の症状がこれからどんどん進行していくのかと思うと不安で仕方がありませんが「夫の認知症の進行を少しでも遅らせたい。そのためには自分が元気でいないといけない」と思っています。
私は夫のことを周囲に話すことで心の健康を保っていると思っています。その場所として、ひまわり会があります。

◇伊万里市認知症の人とその家族の会『ひまわり会』
代表者:黒川憲一

問合先:【電話】090-2215-5556

◇ひまわりカフェ
開催日時:毎月第4日曜日午前11時〜午後2時
開催場所:市民図書館内の福祉喫茶『あおぞら』

■高齢者の相談窓口を紹介します
相談は無料です。認知症に関すること以外でも、介護保険や健康に関すること、お金や権利を守ること、介護をしている家族からの相談など、高齢者に関するさまざまな相談を受けています。
◇地域包括支援センター【電話】23-2122
専門職員(主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師)が相談に乗り、専門機関につなぐなどの支援を行っています。
◇在宅介護支援センター
次のとおり住んでいる地区で担当施設が分かれています。
大坪・立花地区、大川内町:長生園【電話】23-0951
牧島地区、黒川・波多津・南波多(一部)町:敬愛園【電話】27-2135
伊万里地区・二里町:謙仁会【電話】24-9388
大川・松浦・南波多(一部)町…:ートピア【電話】20-8008
東山代・山代町…:光苑【電話】28-4878

■認知症の人とその家族を孤立させないために
長寿社会課 地域包括支援センター認知症地域支援推進員 松本明子
認知症の介護者は『第二の患者』と言われるほど、そのストレスは高いと言われています。認知症についての誤解や知識不足から、本人も周囲もつらい思いをしていることが少なくありません。
ひとりで抱え込まないでください。認知症の人がいない地域はありません。地域全体で認知症を理解し、自分のこととして考え、理解し、適切な対応をとることができれば、認知症の人やその家族が住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができます。
市民の皆さんのほんの少しの優しさを掛け合わせて誰もが暮らしやすい地域にしていきましょう。

問合先:伊万里市地域包括支援センター
【電話】23-2122

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU