文字サイズ
自治体の皆さまへ

教育と文化-みんなで考えよう 人権・同和問題 No.266-

5/44

佐賀県伊万里市

■少しのバリア

研修で障がいがある人の話を聞きました。印象に残ったのは「どんな社会になってほしいですか」という質問に「少しバリアがある社会のほうが良い」と答えたことです。障がいがある人はバリアがない社会を望んでいると思っていたので驚きました。
『少しのバリア』とは、車いすの利用者にとってみれば、誰かが少し押せば登れるくらいの坂なのだそうです。誰かが気付いて車いすを押してくれれば、そこに交流が生まれます。また、その交流の様子を見かけた人にも意識の変化を起こし、その変化は波紋のように広がって社会を穏やかに変えていきます。このようになっていくような、人と人をつなぐバリアなら、あっていいと思いました。
平成28年に『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』が施行されました。障がいがある人から頼まれたら、できる範囲でバリアを取り除くことが求められています。例えば、手話での対話を求められたが、手話ができる人がいない場合には、筆談でコミュニケーションを取ることを提案してみるといった具合です。障がいがある人がしてほしいことと、私たちができることをすり合わせて、お互いが納得できる落としどころを見つけるのです。
障がいは『個人』にあるもののではありません。障がいがある人を想定していない『社会』にあるものです。「手助けは、この社会を共に生きる仲間への応援」と考えて、自然に行動ができる人が増えれば、障がいは減らすことができます。
「障がいを減らすことはできない」と初めから決めつけるのではなく、どうすれば減らすことができるかについて、みんなで考えていきたいですね。
※市では、令和4年3月から『障害』を『障がい』と表記しています。

※このコーナーは、隔月のシリーズで掲載しています。これを手がかりに、家庭で人権・同和問題について話し合ってみましょう。

問合先:生涯学習課人権・同和教育係
【電話】23-3186

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU