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郷土の文化財

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佐賀県伊万里市

■史跡大川内鍋島窯跡調査事業〜日峯社下窯跡(にっぽうしゃしたかまあと)の調査成果(5)〜

初期の鍋島焼を焼いていた日峯社下窯跡について、すべての焼成室で鍋島焼を焼成していると勘違いがされていることがよくあります。先月号で説明したとおり、鍋島焼を焼成していたのは、火力の具合が一番良い、窯中央部分の3室程度でした。それ以外の焼成室は『お手伝い窯』と呼ばれ、一般製品を焼成していました。
『お手伝い窯』で大量に焼成されていたのは、器壁が厚い碗(わん)です。描かれている文様は網目文や草花文、山水文などですが、どの文様もかなり粗放なもので、特に網目文の碗は大量に焼成されていました。
そのような中でも、一般製品の中には、ごくわずかですが、器の成形や描かれている文様が、非常に精緻(せいち)で、高級磁器的な製品もあります。このことから、お手伝い窯の中には、熟練した陶工の存在がうかがえます。
鍋島焼を作っていたのは、高い技術力を持った陶工で、佐賀藩が直接管理をしていましたが『お手伝い窯』は有田の窯と同じように民窯として操業していました。一つの窯の中で藩が管理していた最高級品の鍋島焼と一般的な大量生産品が、同時に焼成されていました。

問合先:生涯学習課文化財係
【電話】22-1262

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