古くから町民に愛され、近年は県外来訪者も多い基山(きざん)の魅力を、たっぷりとお伝えします。澄んだ青空が広がる春の基山(きざん)を、お楽しみください。
●歴史と自然が融合した圧巻の景観
基山(きざん)は標高404.5mで、国の特別史跡である基肄城跡と、豊かな自然環境が融合した景観が特徴の山です。天気がいい日には、山頂から博多湾や有明海、雲仙普賢岳まで見渡せます。
●植林発祥の地
日本書紀に五十猛尊(いそたけるのみこと)が天から降りてくる際に「筑紫より樹木の種を蒔(ま)いて日本全土を青山とした」とあり、その筑紫が基山(きざん)と云(い)われています。
●未来に残したい草原の里100選
令和5年、「未来に残したい草原の里100選」に「城(しろ)と翁(おきな)とスキーの基山(きざん)の草原(そうげん)」が選定されました。基山(きざん)は「基肄城の草原」「草スキーの草原」「オキナグサの草原」の3つの顔を持ち、絶妙なハーモニーを奏でています。
●豊富な登山コース
基山(きざん)には、初心者向けから上級者向けまで、様々な登山コースがあります。山頂までの所要時間は、約1時間30分から3時間程度です。
その昔は、雪が積もる基山(きざん)で雪スキーが盛んだったとか!明治時代からは、山の斜面で滑る草スキーが人気です。なだらかな斜面から、スリル満点のコースまで楽しめます。(シーズン:春・秋)
●希少な植物
基山(きざん)には、絶滅危惧種であるオキナグサをはじめ、多くの希少な植物が群生しています。春には、オキナグサの赤紫色の花が咲き誇り、多くの登山客を楽しませてくれます。
▽地域で大切にされている基山(きざん)
・きざんオキナグサ保存会
自生する絶滅危惧種オキナグサなど希少植物を官民で守るため、自然愛好家などで2年前に発足しました。
・基肄山歩会(きいさんぽかい)
基山(きざん)を中心に、きのくに古道の手入れや自然の保全活動を行っています。昨年、山歩会は30周年を迎えました。
・基肄(きい)かたろう会
基山町文化遺産ガイドボランティアとして発足し、基山町内の文化財・文化遺産を自ら調べ、その成果を活かして文化遺産ガイドを行っています。
・NPO法人基山の歴史と文化を語り継ぐ会
基山の歴史と文化を町民自ら調べ、様々な媒体(展示・漫画・紙芝居・文化遺産マップ・語り部・創作劇など)を通して、多世代の町民へ伝えていく活動を行っています。
●歴史的価値(日本最古の山城「基肄城」と、万葉「西の都」)
基山(きざん)には、国の特別史跡に指定されている基肄城跡が築かれています。基山(きざん)山の山頂から一帯に、土塁や石塁、水門、礎石群など基肄城跡の遺構の他に様々な文化遺産が残っており、歴史を感じることができます。
また、今から1,300年前の奈良時代、現在の福岡県太宰府市に九州全域をまとめる行政機関として「大宰府」が置かれ、都からこの地方に多くの役人がやってきて優れた和歌を数多く残しました。日本最古の和歌集、万葉集です。万葉歌人・大伴旅人もその一人で、旅人はその使いを大宰府が一望できる基肄城に案内し、基肄城で亡くなった妻への思いを歌に詠みました。万葉集には、基肄城にまつわる3首の万葉歌が収められています。
橘の 花散る里の ほととぎす 片恋しつつ 鳴く日しそ多き
大伴旅人(万葉集巻第八)
●続日本100名城の基肄城
基肄城は(1)優れた文化財・史跡であること、(2)著名な歴史の舞台であること、(3)時代・地域の代表であること等によって選定されています。続日本100名城のスタンプは、町民会館事務室前に設置してあります。
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