【特集】誰もが自分らしく生きられる社会へ～性の多様性について理解する～(1)

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■性のあり方は多様です
私たちの中には、好きになる性が必ずしも異性のみでない人、こころの性とからだの性が異なる人などがいます。どの性別の人を好きになるかは、人それぞれ異なります。自分の性別をどのように認識するかも、人それぞれ異なります。人の数だけ性のあり方があると言ってよいかもしれません。(次ページの「性の多様性に関する基礎知識」参照)

■性的マイノリティは身近な存在
性のあり方は多様ですが、必ずしも目に見えるものではありません。
ただ「見えない」からといって自分の周りに性的マイノリティが「いない」ということではありません。電通ダイバーシティラボの調査によると、性的マイノリティに該当すると答えた人が8.9%おり、私たちの家族、友人、同僚などとして、様々な所で共に暮らす身近な存在です。
また、周りの無理解や偏見の中で、様々な困りごとに直面したり、悩みを抱いたりしています。
・「ホモ」「オカマ」など差別的な言葉に傷ついた。
・いじめやハラスメントの被害にあった。
・書類の性別と外見が異なるため、就職活動で差別されないか不安。
・誰にも相談できずに孤立している。
など、こうした困りごとや悩みを抱えている性的マイノリティの人々が「いる」ことを知り、理解を深めていくことが重要です。

■「カミングアウト」と「アウティング」
これまで公にしていなかった自分の性的指向や性自認を本人が表明することを「カミングアウト」といいます。
もし、あなたがカミングアウトなどの相談を受けた場合、それはあなたが信頼されていることの証です。その思いを真摯(しんし)に受け止めることが大切です。同時に、本人の同意がない限り、絶対に口外しないようにしてください。
一方、本人が公にしていないことを他人が暴露することを「アウティング」といいます。
性的指向や性自認は非常に繊細な個人情報で、慎重に対応する必要があります。アウティングによって、本人が学校や職場、地域で居場所をなくしたり、命を落とすケースもあります。決して行わないようにしましょう。

■大切なこと
性的マイノリティの人々は、今日も私たちと共に暮らしており、様々な思いや事情を抱えながら、自分らしく生きたいと願っています。性格や体形が一人ひとり違うように、人の性のあり方もみんな違って多様です。
私たち一人ひとりが多様な性のあり方を知ることは大切です。一人ひとりの人権が尊重され、幸せに暮らせる社会の実現をめざしましょう。

■性の多様性に関する基礎知識
◇性を構成する要素
「性」というと、男性・女性の2つしかないように思う人がいるかもしれません。しかし、性のあり方は、主に4つの要素の組み合わせによって形づくられます。この組み合わせは多様で、「性はグラデーション」と言われています。

(1)身体の性(からだの性)
Sex/セックス
生殖機能など生物学的な性

(2)性自認(こころの性)
Gender Identity/ジェンダー　アイデンティティ
自分が認識している性

(3)性的指向(好きになる性)
Sexual Orientation/セクシュアル　オリエンテーション
恋愛感情がどの性に向いているか

(4)性別表現(表現する性)
Gender Expression/ジェンダー　エクスプレッション
言葉や振る舞い、服装などで表される性

◇LGBTとSOGI(ソジ)
「LGBT」とは、下記の4つの頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)の総称の一つです。これに、Q(クエスチョニング：性のあり方について定まっていない人、定義づけたくない人)などを加え、「LGBTQ」や「LGBT+」という表現もあります。

▽SO(性的指向/好きになる性)
・Lesbian/レズビアン
こころの性が女性で、好きになる性も女性

・Gay/ゲイ
こころの性が男性で、好きになる性も男性

・Bisexual/バイセクシュアル
好きになる性が男性・女性の両方

▽GI(性自認/こころの性)
・Transgender/トランスジェンダー
からだの性とこころの性が異なる

◇すべての人が持つ性の要素SOGI(ソジ)
「SOGI」とは、「性的指向」(SexualOrientation)と「性自認」(GenderIdentity)の頭文字をとった総称です。全ての人の性のあり方に関わるLGBTよりも広い概念です。

問合せ：人権啓発センター(氷上住民センター別館内)
【電話】82-0242