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特集1:新春座談会 幸せを実感できるまちづくり(2)

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兵庫県加古川市

■幸福感との関係を探る
南雲:例えば「健康寿命」って政策では重要視しますよね。でも「健康寿命」と「幸福感」は実は直接的にはつながっていないのです。年を取ってもただ健康で人の手を借りずに生きていくことと、幸せだと感じることは別なのです。では、健康と幸せをつなぐものは何かと考えたときに、それが「生きがい」なのか「地域に自分の居場所があること」なのか「周囲から感謝されていること」なのか…などと考えていく必要があります。
市長:一見、ウェルビーイングに直結しそうな項目一つをとっても、より具体的な要因を探っていかなくてはいけませんね。
議長:くわしく調べてみれば、関係がなさそうな物事が大きく関与している場合もあるということですね。

○CHECK! ウェルビーイング指標
人々の「暮らしやすさ」と「ウェルビーイング(幸福感)」を指標で数値化・可視化したもの。加古川市では、以下の6項目が市民の幸福度との関係性が強かった。
▽自分らしい生き方
文化・芸術
健康状態
自己効力感

▽地域の人間関係
地域とのつながり

▽生活環境
公共空間
住宅環境

■誇りを持てるまちに
市長:今年は音楽や美術など、芸術文化の推進に積極的に取り組みたいと考えています。市のウェルビーイング指標でも幸福感との関係性が強く出た分野です。例えば施設に行ったら花が飾ってあったり、駅前で絵画が鑑賞できたり、音楽があちらこちらで聞こえていたりするようになれば「最近何だか気分がいいな」と感じるのではと思います。
南雲:自己表現や心が潤うような場があるまちは、住みやすく、人や幸せの要因が集まって来る傾向があります。芸術文化の発表の場が数多くあるのは、とても良いことですね。
議長:芸術文化の推進は議会としても注目しています。昨年は市内の名所や議場でのコンサートをはじめ、河川敷や駅前でのイベントにも、多くの観客が来られました。現代は物も情報も簡単に手に入るし、心の癒しや人とのつながりのようなものを求めている人が多いのかなと感じます。
南雲:そうですね。また市民の皆さんが楽しそうにしている姿をSNSなどで発信し、全国に広めていくのも良いと思います。
市長:そうおっしゃっていただけると、芸術文化の取り組みをさらに進めていけそうです。ニュースで市の名前が出たり、話題に取り上げられたりするとなぜか嬉しくなりますよね。ゆかりのあるまち自体が、自分自身のアイデンティティーの一部でもあるからだと思います。自分が暮らしているまちに誇りを持てることは、幸せを感じることに直結するのではないでしょうか。

○CHECK! 昨年開催された音楽イベント
・わがまち加古川70選名所コンサート
歴史や自然を感じる地域の名所で音楽を楽しむ

・議場コンサート
いつもは議会が開かれている場所が会場に

・ティーンズコンサート
地域の高等学校吹奏楽部が参加

・加古川河川敷イベント
広々とした会場で行われたライブイベント
ほか

■豊かさと幸せへの思いをつなぐために
市長:今の子どもたちは親の世代ほど豊かになれないと思って諦めているという話を聞くことがあります。私たちの親の世代は、もっと貪欲に豊かになろうという風潮があったと思うのです。
南雲:日本だけでなく多くの先進国が今より豊かになることはないと示す資料もあります。その中で、明日は今日より良いだろうという期待を持てるまちにしなければ、子どもたちに幸せの実感は訪れないと思います。その「良い」が何なのかを提示する責任は、大人にあると思うのです。市ならではの幸福論を作るとか、データを蓄積していくこともとても大切なことです。
議長:市民の皆さんが幸せだと思えるまちづくりのために、市長には多角的に政策に取り組んでいただきたいです。そして、人生の節目に「あぁ幸せだなぁ」「加古川に住んで良かったなぁ」と思ってもらえるような取り組みを議会としても評価し、支持していきたいと思います。
南雲:ウェルビーイングを探ることは、幸せという宝探しをみんなですること。ウェルビーイングは時代や地域などで変化します。みんなで楽しみながら、まちの文化のようなものとして根付いていくといいなと思っています。
市長:今年も市民の皆さんが幸せを実感できるようなまちづくりに取り組みます。ウェルビーイング指標を参考にしながら、中長期的にどんなまちにしていきたいのかを明確にし、取り組みを進めていきます。これからの加古川市に期待してください!

心豊かな暮らしを目指します!

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