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自治体の皆さまへ

SDGs それなら できるを ぐんぐん そだてよう 1人から2人、2人から3人へ (4)

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兵庫県多可町

05 俺はダイヤモンドだ、生き残るんだ。 小円織物有限会社
「ほこり、ほこり、ほこり…これって使えるやん!」
小円織物の3代目小林一光さんは、深夜の工場で機械から出るほこりを見つめながら、ふと思いました。
「織物業界が動く限り絶対に出るほこりを再利用できたら面白いと思って。その当時、コロナ禍で空前のキャンプブームだったこともあって、商工会メンバーと、着火剤作ったら、という話になったんです。」
そんなこんなで、仕事柄、絶対に木くずが出る大工さんと共同で「ファイヤークラウド」が完成。
捨てるモノから使うモノへと、見事な変身を遂げました。
「テキスタイルから生まれた着火剤、面白いでしょ。最終的には、この商品を作っているのは機屋なんだ。と織物を知ってもらうきっかけになればうれしいです。」
ファイヤークラウドは、梱包作業をNPO法人Esportに委託し、雇用の創出にも貢献しています。
機屋は儲からない。儲けたいなら辞めて会社員をしたほうがいい。どんどん職人が減っていく中で、小林さんは100年続いてきた小円織物を守るため、日々挑戦を続けています。
「しんどいけど、すごいことをしていると自分で思う。俺はダイヤモンドだ、生き残るんだと言い聞かせています。」やりたいことは山ほど。
「空き家物件を利用して機屋の小売店を創りたい。機屋の見学や体験を泊まりでしてもらえる施設とかもやりたいです。」
持続可能な機屋への挑戦。
「3代目の仕事は、苦しんで苦しんで花咲かすこと。生き残ります。」

06 商工会 = SDGs 多可町商工会
「商工会の理念は、商工業の発展と社会一般の福祉の増進。
商工会の活動自体が、SDGsに自然と繋がっています。」
SDGsと聞くと、自然環境、貧困などのグローバルなイメージですが、「目標8:働きがいも経済成長も」や「目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう」「目標12:つくる責任・つかう責任」など、地域経済と密接に結びついています。
「近年はコロナ禍の影響もあり、移住者が増え、創業される人も多くなりました。町内の事業所さんはコロナの影響はもとより、さまざまな原材料の高騰で、利益が生まれにくいという苦難と闘っています。」
厳しい現状の中でどう生き残るか。SDGsに取り組むためには、まずは事業所の生き残りが再優先です。
「多可町にはいい会社がたくさんあります。気づいていないだけで、SDGsの取り組みにあてはまる活動をされている事業所もまだまだあります。商工会として事業所のPRやスキルアップにしっかり取り組んでいきたい。」

07 廃棄から資源に。布団はゴミじゃない フロンティア株式会社
「社会の課題は、解決する覚悟が必要です。口だけじゃない、本当にやることが大切なんです。」
フロンティア株式会社では、本来廃棄され焼却処分される布団を引き取り、新しい製品へと再生する事業を展開しています。
代表取締役の内橋毅さんは、昭和63年に縫製業で起業し、激動する社会情勢の中で、もがきながら生き残るための事業を模索してきました。
「常に闘っているんです。日本の綿の生産率はゼロです。唯一あったのが捨てられる布団です。」
内橋さんは、7年間かけて布団の回収ステムを構築し、特許を取得しました。
「それでもゴミ屋と言われたよ。うちはゴミ屋じゃない。再生しているんや。捨てられてしまう布団から綿を素材化して、違うものに変えていく。循環です。」
回収した布団を洗濯、乾燥させ、固くなった綿を生き返らせる。その綿を利用した製品を大手企業などに納品しています。
その作業の大半を、NPO法人ネクストに委託し、雇用の創出にも貢献しています。
「最低賃金はどんどんあがっていきます。働く人たちの命を預かっているんです。持続可能であるためにはまず企業が生き残らないといけません。SDGsに取り組むなら、現状から目を背けずに、目を向けてほしい。」

08 SDGs、何も特別なことじゃない 山本和樹さん
「SDGsって特別なことはなくて、地球も家庭も同じ。まずは自分ができることをやればいい。」
山本和樹さんは、多可町消防団団長、生涯学習まちづくり委員会座長、滞在型市民農園「ブルーメンやまと」の管理人と、まだまだ書き切れないほどの顔を持ち、いつ寝ているの?と思うほど忙しい日々を送っています。
「個人だから、簡単なことからすぐ取り組めます。エコバックを持つとか、電気をこまめに消すとか。近所の高齢者への声かけや見守りもそうです。」
そんな山本さんを慕って、いろいろな人が繋がり、交流が生まれます。
「共生社会と言いながら、分断社会になっていないか、とよく考えます。本当に困っている人は声が出せません。そこをどう聞いてあげれるかを考えないといけません。多可町には可能性がたくさんあります。SDGsの取り組みを通して、異業種間が交わることで新しいものが生まれたら面白いと思う。人と人のつながりが持続可能な町を創っていくと思います。」

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