【特集】天気の見方と水害対策(1)

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気象防災アドバイザーが解説!
【天気の見方と水害対策】
・梅雨のせいで雨の予報が多いなぁ
・でも天気予報ってイマイチ分からないのよね…
・「未明」って何時のこと?10mmの雨ってどれくらい?
・こんな時は専門家に聞いてみよう!

宝塚市総合防災課
気象防災アドバイザー　野澤　武志

皆さんは天気予報で使われる「未明」や「夕方」が何時を指すか知っていますか?実は、気象庁では一日の時間を表す用語を厳密に定めています。

■時間を表す予報用語

これらの言葉は季節に関係なく使われ、たとえば日の入りが遅い夏の時期も、15時〜18時が「夕方」になります。
また、「10ミリメートルのやや強い雨」といった表現もよくされますが、これは1時間あたりの雨量を示す言葉で、下表のような降り方をします。1時間あたりの雨量が30ミリメートルを超えると、災害が起こる恐れのある注意報級、50ミリメートル以上は重大な災害が起こる恐れのある警報級の雨といえます。
ただし、弱い雨でも長く続いた場合は災害に繋がることもあります。大雨による災害のリスクが高まるこれからの季節、気温や天気のマークだけでなく気象予報士の解説にもご注目ください。

■雨の強さと注意点
▽1時間雨量(mm)…10以上～20未満
雨の様子：やや強い雨
人への影響・屋外の様子：地面からの跳ね返りで足元がぬれる

▽1時間雨量(mm)…20以上～30未満
雨の様子：強い雨
人への影響・屋外の様子：
・傘をさしていてもぬれる
・車のワイパーを速くしても見づらい

▽1時間雨量(mm)…30以上～50未満
雨の様子：激しい雨
人への影響・屋外の様子：
・道路が川のようになり、低地の道路は冠水することも
・山崩れや崖崩れの危険が高まる

▽1時間雨量(mm)…50以上～80未満
雨の様子：非常に激しい雨
人への影響・屋外の様子：
・マンホールから水が噴き出す恐れ
・地下に雨水が流れ込む恐れ
・車の運転は危険

▽1時間雨量(mm)…80以上
雨の様子：猛烈な雨
人への影響・屋外の様子：大規模災害が発生する恐れが強く、厳重な警戒が必要

・言葉の意味は分かったけど大雨が防げるわけじゃないよね…
・雨は防げませんが自然災害から命を守ることはできます!

■災害が起きる前に
一言で「大雨」といっても、降り方や降る場所によって起こり得る災害は異なります。急な傾斜地や渓流では土石流や崖崩れ、平地・低地では浸水や冠水、河川流域では川の増水や氾濫の危険度が高まります。災害に適切に対応するためには、日頃の備えが重要です。

1　防災マップを見てみよう!
総合防災課や各SC・SSなどで配布している「たからづか防災マップ」では、災害ごとの危険箇所や市内の避難場所を確認できます。居住地や通勤・通学経路で予想される災害を事前に調べ、自分や家族の避難について考えましょう。

2　安心メールに登録しよう!
「宝塚市安心メール(ひょうご防災ネット)」※は、気象情報や避難情報などをメールとアプリでいち早くお伝えし、緊急情報の見落としを防ぎます。

3　防災スピーカーの活用を!
緊急時には「すみれ防災スピーカー」を通じて情報をお伝えしています。また、アプリ「コスモキャスト(防災放送アプリ)」(※)や、問い合わせダイヤル(【電話】77・4001、77・4002)でも放送内容を確認できるので、緊急時に慌てないよう事前の登録をおすすめします。
※メール・アプリの登録は本紙30面へ

■大雨が迫ってきたら
災害の可能性がある雨が予想されたときは、現時点の情報を調べるだけでなく、今後の状況を注視することが大切です。
気象庁が運用する「キキクル」は、実況値〜3時間先までの予測値を用いて、どこに危険が迫っているかを知ることができます。自分のいる地域は浸水害と土砂災害のどちらに注意すべきか、避難場所へはどんな経路で向かうのが最適か、平時のうちに防災マップなどで把握しておき、適切な防災対策を行いましょう。

■防災豆知識
気象台では大雨警報を土砂災害と浸水害の2つに分け、特に警戒すべき事項が分かるように発表しています。注意報については、気象庁ホームページから災害の種類を確認できます。

Q：急な激しい雨で深夜に大雨警報が!今すぐ避難した方がいい?

A：暗くなってからの避難は危険です。警報級の雨の場合、道路が冠水していたりマンホールの蓋が外れたりすることもあります。夜間は建物の上階の山側と反対側に移動する、垂直避難を推奨しています。
ただし、避難が必要な豪雨の場合は事前に予報が出ている可能性が高いです。天気予報などで情報をキャッチしたあとは、雨が強まる前の明るい時間帯に安全な場所へ移動しましょう。