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新温泉町文化会館だより

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兵庫県新温泉町

■『性の多様性』をテーマに「第3回人権講座」を開催
文化会館では、同和問題をはじめ、あらゆる差別や人権侵害をなくし、お互いの人権を大切にするまちづくりを目指して、年5回の人権講座を実施しています。8月23日(水)に第3回目の人権講座を開催しました。

▽DVD「バースデイ」を視聴
今回の学習テーマは『性の多様性を認め合う~だれもが自分らしく生きられる社会をめざして~』です。啓発ビデオ「バースデイ」(令和4年度兵庫県人権啓発ビデオ)を視聴し、その後、岡本潔政人権啓発指導員(浜坂北小学校長)の講話で学習を深めました。
性的少数者については、依然として社会理解が進まず、偏見や差別、配慮に欠けた対応などで、自身の思いや悩みを打ち明けることが難しく、周囲の無理解に苦悩し、生きづらさを感じている状況など様々な問題があり、深刻な人権問題になっています。
一方、性的少数者であることを打ち明けられた家族や友人等は、既成概念による偏見や知識不足によって、理解しようと向き合う前に混乱や抵抗感にとらわれてしまうことが多くあります。
性の在り方は多様で一人ひとりの人権にかかわることであるため、性的少数者の存在や悩みに気づくことが大切です。
このビデオを性的少数者について理解するきっかけとし、その多様性を認め、お互いの人権を尊重することは、すべての人が自分らしく生きていける社会につながっていきます。そのような社会の実現を目指すことを目的としてこのドラマは制作されています。

▽岡本潔政さん(人権啓発指導員)の講話
今ここに、色鉛筆のセットがある。皆さんはどの色が好みか。好みの色は「自分がどう感じるか」で決まる。つまり「その人らしさ」が表現されるということである。
次に「性の在り方」について考える。「性の在り方」には4つのものさしがある。
(1)「からだの性」(生まれながらの生物学的な性)
(2)「こころの性」(自分の性をどう感じるか)
(3)「好きになる性」(どんな性の人を好きになるか)
(4)「表現する性」(服装、ふるまい、言葉遣い等の自分“らしさ”の表現)である。
また、「L・G・B・T」という性のタイプがある。
L(レズビアン…「こころの性」が女性で、女性を好きになる人)
G(ゲイ…「こころの性」が男性で、男性を好きになる人)
B(バイセクシャル…「こころの性」にかかわらず、男性も女性も好きになる人)
T(トランスジェンダー…「からだの性」と「こころの性」が異なっている人)である。
この「LGBT」の人の割合は日本全国で全人口の8.9%で11人に1人いるといわれている(平成30年調査)。
一方、同じ年に実施された兵庫県民調査では、「性的指向への差別的な言動を受けた」(40.9%)、「職場や学校で嫌がらせを受けた」(26.2%)、「じろじろ見たり、避けたりされた」(25.8%)、「学校で困難やハラスメントを経験した」(70%)、「自分を否定し、自殺を考えたことがある」(48%)、「自殺未遂をしたことがある」(14%)など「LGBT」の人たちへの偏見や差別が顕著であることがあがっている。
「LGBT」の当事者たちの声としては、学齢期には「性別、トイレ、更衣室、名簿など男女別のものに苦痛を感じる」「好きな人の話をするときに抵抗がある」、青年期には「女らしさ、男らしさを求められ、からかいの対象にされた」「性別欄の記載のたびに自分の性別を自覚させられて辛い」「同性カップルで賃貸住宅を借りられない」「結婚しないのかといった周囲からの圧力がある」、壮年期には「採用、異動、昇進など不利に取り扱われた」「病院でパートナーの病状を教えてもらえなかった」などがあがっている。
このような状況のなか、いま、社会全体としてなすべきことは、「LGBT」の人たちに対する理解者「ALLY(アライ)」を一人でも多く増やすことである。(ALLYとは、英語の「同盟・支援」を意味する「ALLY」を語源とする言葉であり、性的少数者の人たちを理解し支援する人たちのことである。)
大人も子どもも、すべての人が、ありのままの自分を肯定して生きていける社会をつくるためには、周りの人間すべてが、当事者の気持ちを尊重するとともに、この問題に対する理解者の輪を今すぐ拡大していかねばならないことは言うまでもないことである。

問合せ:新温泉町文化会館
【電話】82-3328

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