文字サイズ
自治体の皆さまへ

野草散歩(154)

24/47

兵庫県新温泉町

■ゴマナ(キク科)
畑ヶ平林道をゆくと、崖の斜面にところどころで咲いている白い花の群落を見かけます。丈高い茎の先端に、細かな白い花がかたまって咲いているので、黒土の崖の斜面でよく目立ちます。以前は斜面一体を覆うほどに繁茂(はんも)していたゴマナですが、現在では鹿の食害が更にひどくなり、鹿が首を伸ばしても食べられない急峻(きゅうしゅん)な場所にチラホラ見えるだけです。
ゴマナ(胡麻菜)は日本固有のキク科高原性多年草で、わが町では上山高原や畑ヶ平林道など、標高の高い場所でしか見られません。茎の高さは100~150cm、葉は互生し、長さ13~19cm、幅4~6cmの長楕円形で、葉の両面には微細な毛が多くあり、ひどくざらつきます。花は茎の上部でよく分枝し、茎先に直径1.5~2.0cmの白い頭花をたくさんつけます。頭花はキク科特有の中心に黄色い筒状花(とうじょうか)(または管状花(かんじょうか))、その周りを白い舌状花(ぜつじょうか)が取り囲んでいる造りになっています。種は冠毛(かんもう)の付いた痩果(そうか)(熟しても裂開しない)で長さ2.5mm、冠毛は径5mm、タンポポの綿毛に似た小さい形状です。花期は8~10月で、11月頃地上部は枯れ、やがて根茎だけとなって冬を越します。
名前はゴマナの葉が胡麻の葉に似て若菜を食したことから命名されたそうですが、最近はゴマを作っている畑を見ることもないので、ゴマの葉がどんなのかネットで検索してみて納得しました。ついでに栽培方法も掲載されていたので読んでみると、簡単そう。サツマイモの畝(うね)に沿って種を蒔き、後は放置しておけば雑草のごとく成長するとか。本当かな、一度試してみよう、と思った次第です。

文・写真 中澤博子さん

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU