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新温泉町文化会館だより

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兵庫県新温泉町

■『障がい』をテーマに「第2回人権講座」を開催しました。
文化会館では、同和問題をはじめ、あらゆる差別や人権侵害をなくし、お互いの人権を大切にしあうまちづくりを目指して、年5回の人権講座を実施しています。7月26日(水)に2回目の人権講座を開催しました。

▽DVD「障がいって何?~問いかける声問われる声」を視聴
今回は『障がい』をテーマにしたDVD「障がいって何?~問いかける声問われる声」を視聴し、人権啓発指導員の西村久則さんの講話で学習を深めました。
何気なく使われる「障がい者」という言葉。そもそも「障がい」とは何なのでしょうか?「障がい」は「心身の機能的な障がい」とイメージする人が多いかもしれません。しかしこのビデオでは「社会にある障がい」について考えていきます。
「ちょっとした支援があればもっと生きやすくなる」。ビデオの中の精神障害者地域生活支援センターすいすいの藤川さんの言葉です。
長い間、障がい者は排除され、社会参加を阻まれてきました。しかし、障がい者の視点から社会を変えようという当事者を中心とした運動の結果、障がい者だけでなく高齢者や妊婦・子育て中の家族など、多くの人が住みやすい社会に変わってきました。障がい者差別の撤廃は、すべての人が生きやすい社会、多様な人が共存する社会へ繋がっていきます。このビデオは、多くの人が「誰もが生きやすい社会づくり」へ参画していくことの大切さを問いかけています。

▽西村久則さん(人権啓発指導員)の講話
今日のDVDのテーマは『障がいって何?問いかける声問われる声』です。非常に考えさせられることが多いDVDでした。相模原市知的障害者施設殺傷事件があったこと覚えているでしょうか。ちょうど今から7年前の平成28年7月26日、まさに7年前の今日の出来事でした。施設の元職員であった男が、同施設に刃物を持って侵入し、入所者19人を刺殺、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせたという事件です。
犯行の動機は、「障がい者は生きていても無駄、生きる価値がない」「意思疎通のできない障がい者は安楽死させるべきだ」「障がい者は不幸しか作らない」など大変ひどい動機を述べていました。なぜ、そんな考えが生まれてきたのでしょう。
次に、普段何気なく使われる「障がい」という言葉を考えてみます。「障がい」には2通りの捉え方があると思います。「心身の機能的な障がい」と「社会にある障がい」です。「心身の機能的な障がい」と捉えれば、私たち誰もが程度の差はあるが様々な困りごとを持っている。言い換えれば誰もが「障がいを持っている」と考えることができます。つまり、誰もが生きやすい社会は「社会にある障がい」を取り除くことだと思います。
障がいの医学モデルと社会モデルというものがあります。車いすは階段では使えないがエレベーターなら使用できる。つまり障がいは個人の機能(医学モデル)によって起因するものではなく、社会の仕組み(社会モデル)が不十分なことによって生じると考えることができます。
平成18年に「障害者の権利条約」が採択されました。障がい者が障がいのない人と同じように生活できる権利を定めています。日本は平成22年にこの条約を締結しています。また、日本では「障害者差別解消法」が平成26年に制定され、
「不当な差別的取り扱い」を禁止し「合理的な配慮の提供」を求めています。「不当な差別的取り扱い」の例としては、『障がいを理由に窓口での対応を拒む』『障がいを理由に順序を後回しにする』『障がいを理由に不必要に介助者の動向を求める』『本人を無視して介助者だけに語りかける』などがあります。
「合理的な配慮の提供」とは、『車いす利用者のために段差のあるところにスロープを付ける』、『高い位置の物品陳列を手の届く位置に陳列する』などです。
また、「望ましくない対応」というものがあります。『何の説明や検討もないまま対応しない』ことです。障がいの特性や求める内容は様々ですので、まずは、障がい者が求めている内容を聞いて何ができるのか考えることが大切です。もし、求めている内容がすぐに対応できない場合は、代替手段がないかを検討することが重要になります。対応できない場合でも、その理由を説明し、理解を得るように努めることが求められます。合理的配慮が欠ける具体的事例としては、『分からないことを駅員に聞いた際、とても不親切であった。言葉での説明が十分ではないので意味内容をじっくり聞かないと何を言っているのかわからない』『図書館で読みたい本に手が届かない』『耳が悪いので紙に書いてほしいと頼むと嫌な顔をされる』『公のイベントなどの申し込みやお知らせに、エレベーターや身障者用トイレの有無が記載されていない』『窓口の係の人が障がい者への理解が足りない』などが挙げられます。
今日のDVDの中で私の心に残った言葉は『健常者、障がい者の言葉はいらない』、『小さい頃、引け目を感じ、消しゴムを拾ってと言えず、お荷物で迷惑な存在だと思っていた』、『私たちは、2階に行くには階段は無理だけど、エレベーターをつけると2階に上がれるので障がい者でなくなる。障がい者という言葉をなくすというより、社会を変えていった結果、障がい者という言葉がなくなるというのが私の考え』などです。
最期に、シンガーソングライター緒瀬來歩(おりせらふ)さんの言葉を紹介します。
『誰もが当たり前の人として、ともに地域でくらす。そのために、さまざまな「障がい」をみんなでなくし、社会を変えていけたらいいなと思います。自分らしく生きることが社会を変える力になると思います。』

問合せ:新温泉町文化会館
【電話】82-3328

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