■セミの声
皆さんに豊岡の自然を身近に感じてもらうため、豊岡らしい季節の言葉を紹介します。
◇田んぼのカエルの合唱が少し静かになった頃、里山や公園ではセミの出番です。
6月の下旬から7月初旬にかけて、ニイニイゼミが鳴き始めます。ヒグラシ、アブラゼミなどが続き、7月下旬からは、皆さんもよく知るミンミンゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシという真夏のセミが現れます。
◇ヒメハルゼミ
8月上旬までだけ現れるヒメハルゼミというセミがいます。
港地区の絹巻神社や城崎の四所(ししょ)神社、温泉寺の周辺のシイ林に生息し、生息地の一部が本市の天然記念物に指定されています。照葉樹林帯に生息する暖地性のセミで本州の日本海側では生息地が限られています。鳴き声は小さな体の割には大きくて、ギーォギーォと唸(うな)るような合唱になります。
◇セミ採りをした夏休み
かつて子どもたちの夏休みの人気の遊びにセミ採りがありましたが、今はどうでしょうか。竹竿(たけざお)の先に針金の輪を作り、そこにコガネグモの網を巻き付けて、そっとセミに当てるとセミがクモの網に絡めとられる仕組みです。どこにでもいたニイニイゼミやアブラゼミよりも、透明の羽を持ったミンミンゼミやヒグラシは小学生の子どもたちにとっては憧れのセミでした。
もっともセミの世界では、透明な羽の方が普通で茶色の羽を持つアブラゼミの方が珍しく、国外ではこちらの方が人気だそうです。
今年の夏は、久しぶりにセミ採りをしてみませんか。
写真・文:NPO法人コウノトリ市民研究所 上田尚志
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