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まちの文化財(227)

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兵庫県養父市

■山路寺の蛇紋岩石垣
大屋公民館南側の市道に面して山路寺の参道の入口があります。ここには、高さ約1メートルの細長い石垣が積まれており、その奥に石垣の上に蛇紋岩でできた四角形の石塔が建てられています。
石塔の表面には、胎蔵界の真言を示す「アビラウンケン」という5文字の梵字が刻まれており、文化9年(1812)に造立されています。
この部分の石垣は蛇紋岩を切石に加工して積んだ「切込みはぎ」という技術が使われ、石材を様々な方向に組みあせた「乱積み」が採用されています。石垣の一部に「築地 加保村 常三良作」の文字が彫られています。加保の法華寺、大杉の二宮神社にも蛇紋岩の切石を使った類似の石垣が見られます。
蛇紋岩を切石に加工した「切込みはぎ」の石垣技術は、蛇紋岩細工と同じ土台をもつ石材加工の技術です。この他にも山路寺の山門まで続く石段は蛇紋岩を加工した石材で作られています。
山門を入ると一石五輪塔と宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。宝篋印塔は文政10年(1827)、五輪塔は文久4年(1864)に造立された蛇紋岩の彫刻です。作者は不明ですが、由良の伊澤伊兵衛や元三郎が活躍した時期です。養父市を代表する立派な蛇紋岩の石塔が山路寺に伝わっています。
(教育委員会歴史文化財課)

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