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自治体の皆さまへ

みのり会館だより(No.468)

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兵庫県高砂市

■8月は「人権文化をすすめる市民運動」推進強調月間
人権とは、すべての人が生まれながらに有する権利であり、私たちが幸せに暮らすために欠かすことのできない大切なものです。

◇市の取り組み
市では、一人一人が互いの人権尊重を感性として育み、自然に態度や行動として表すことが文化として定着している社会を目指す「人権文化をすすめる市民運動」を展開します。
各小学校区での校区人権活動などに参加し、日常生活の中で人権について考えましょう。そして、誰もが家族の絆と世代・地域を超えた多様な縁に支えられ、認め合い、幸せを実感できる暮らしの実現を目指しましょう。

■「人権交流学習会全体会」を終えて
みのり会館では「みんなでつくろう住みよいふるさと」をテーマに、同和問題をはじめとするさまざまな人権問題やいじめ問題などの解決を目指して学習しています。また、月1回の人権相談や各種講座の開催、地域の皆さんと小・中学生の保護者を対象に、人権交流学習会も実施しています。
この学習会は、全体会と、3班に分かれた班別学習会を行うもので、6月13日に、教育センターを会場として全体会を開催しました。
前兵庫県人権教育研究協議会副会長の古角美之さんの「部落差別の現状と部落差別解消に向けた取組について」と題した全体会は、参加者との対話形式で行われ、自身の豊富な体験を通して分かりやすくお話していただきました。その概要を紹介します。

◇はじめに
今年4月、姫路に全国で41校目、県内4校目となる公立夜間中学校「姫路市立あかつき中学校」が開校しました。
夜間中学校は、年齢や国籍に関わらず、学びたいという思いに応え、多様性を尊重しながら、一人一人に応じた教育を提供し、誰もが学ぶ喜びを感じることができる学校です。すべての人が生まれ持っている権利の1つが、学ぶことです。「学ぶことは、生きること」、まさに学び直す機会をつくる学校なのです。

◇部落差別の現状
2016年12月に施行された部落差別解消推進法に、部落差別は存在すると明記され、差別をなくすための取り組みを進めることは、国や行政の責務であるとされています。事実として、社会の中に部落差別は残っており、なくさなければなりません。そのために学校や社会教育で学び、共通理解することが大切です。
法務省による部落差別に関する人権侵犯事件の新規救済手続き開始件数は増加し、その4から6倍の相談件数が報告されています。人権侵害を受けた時の対応は、「家族や身近な人に相談する」が最も多く、次いで「何もできなかった」で、どこに相談したらいいのかわからない場合も多いです。高砂市は、広報誌などで人権相談についてよくPRされています。

◇部落差別の変遷
兵庫県の人権に関する県民意識調査によると、部落差別は人に対する差別だけでなく、土地に対する差別へと広がっていることが分かります。インターネット上に個人情報を掲載する事案では、誰への差別か分かりづらく表現するなど、より巧妙化し、確信犯的な差別が横行しています。
部落差別に出会った時に、不安や無知などにより、正しい判断や行動ができず、差別をばらまいてしまう危険があります。人権教育の重要性が問われているのはこのためです。

◇部落差別をなくしていくために共通理解したいこと
現在の結果は過去に原因があります。学校や社会教育において、今起きている差別から、なぜ差別が起こるのかを科学的に学ぶことが大切です。
これまでの同和教育では共感的に理解することが大事にされてきました。差別を受けている当事者の経験から学ぶことは重要ですが、その経験や思いは一様ではなく、共感するだけでは差別はなくなりません。できるだけ多くの経験から学び、差別をなくす行動につなげる必要があります。

◇まとめ
差別は、差別を受けている人たちだけの問題ではありません。
例えば、子どもの人権は大人の問題、女性の人権は男性の問題です。人権を保障されたすべての人の問題です。
人権問題の当事者は「私」であり、「あなた」です。だから、すべての人の人権が大切にされなければいけないのです。

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問合せ:みのり会館
【電話】431-6170

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