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自治体の皆さまへ

Health~保健師からの健康アドバイス~

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北海道せたな町

特定健診の質問票の中身は生活習慣改善のヒント?

〈今月の担当は安藤麗香です〉

■特定健診の質問票から…「食べる速さ」と「お酒」
40~74歳を対象とした特定健診では、質問が22項目あります。特定健診を受けたことのある人は、何でこんなことを答えるのかな?と思うこともあるかもしれません。この質問票の項目には、研究報告などからしっかりとした理由があり、改善すると様々な健康問題のリスクが減るとされています。今回は「食べる速さ」と「お酒」の2つをピックアップしてお話します。

《質問》
人と比べて食べるのが速いですか?
(1)速い (2)ふつう (3)遅い
(早食いに明確な定義はありませんが、一般的には食事が15分以内・噛む回数が少ない人等を指します)

▽こんな理由があります
・食べる速度が速い人は、遅い人と比べて将来の糖尿病になるリスクは40歳代男性で約1.6倍、50歳代男性で約1.4倍であったという報告がある。
・日本人の成人勤労者で食べる速さが速い人は、速さがふつうの人と比較して3年後のメタボになるリスクが約2倍であったという報告がある。
・早食いは基礎代謝量が落ちる。等々…

▽早食いの人は出来るところから始めてみよう!
早食いは小さい時からの食習慣や忙しくて食べる時間がない!等の普段の生活環境も影響してきます。まずは自分にも出来るかもと思うところから始めてみましょう。
・野菜料理等の噛みごたえのあるものにする(大きめに切る等)
・一口の量を減らす
・一口30回が目標!難しい人はまずは一口10回噛むことから始める
・一緒に食べる人より、遅く食べ終わると決めて食べる
・一口ごとに箸を置く
・ながら食いをせず、食事を味わって食べる
・歯が悪くて上手く噛めない場合は、まずは歯科受診

《質問》
お酒(日本酒、焼酎、ビール、洋酒など)を飲む頻度はどのくらいですか。
(令和6年度から次のように回答が変更になります)
(1)毎日
(2)週5~6日
(3)週3~4日
(4)週1~2日
(5)月に1~3日
(6)月に1日未満
(7)やめた
(8)飲まない(飲めない)

《質問》
飲酒日の1日当たりの飲酒量
(令和6年度から次のように回答が変更になります)
(1)1合未満
(2)1~2合未満
(3)2~3合未満
(4)3~5合未満
(5)5合以上

▽こんな理由があります(ほんの一部です)
・高血圧は男女ともに少しでも飲酒をすると発症リスクが上がると考えられている。
・脳梗塞は純アルコール量で週300g以上、女性では週75g以上を飲むと発症リスクが上がる。
・胃がんは男性は少しでも飲酒をする、女性は純アルコール量週150g以上で発症リスクが上がる。
・大腸がんは男女ともに純アルコール量週150g以上を飲むと発症リスクが上がる。
・生活習慣病リスクを高める飲酒量(1日あたり)は純アルコール量男性40g以上・女性20g以上である。(顔がすぐ赤くなる人や高齢者はより少ない量が望ましい)

▽純アルコール量20gとは?
缶ビールロング1缶(500ml)
日本酒1合(180ml)
焼酎(25度)コップ1/2杯(100ml)
ワイン小グラス2杯弱(200ml)
缶チューハイ(7%)1缶(350ml)
ウイスキーダブル1杯(60ml)
・WHOでは「大量機会飲酒」を、「1回純アルコール量60g以上を30日に1回以上する飲酒」と定義されており、月1~3日でも多量飲酒による健康リスクが高まる。等…

▽お酒と上手に付き合うために、出来るところから始めてみよう!
・耳にタコかもしれませんが、臓器を休ませるために休肝日を週に2回つくりましょう。アルコールは肝臓の負担だけではなく、胃や腸の粘膜も荒れてしまいます。
・肝臓や胃を守るため、アルコール度数の強いものは薄めましょう。
・多く飲みそうな日はお酒を飲む前と飲んでいる間にしっかり水分補給しましょう。(水や炭酸水、ノンアルコール飲料など)
・空腹は避けましょう(飲む前に食べる・食事中に飲む)
・ラベルに純アルコール量が記載されているお酒が増えているので参考にしましょう。

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