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《連載》家庭教育シリーズ 第342回

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北海道上富良野町

■子どもから学んだ「導く」から「寄り添う」へ
教育アドバイザー 小山田 雅春

教育委員会にお世話になり早4年目。週1回は、町内小中学校に伺い、子ども達や先生方に出会える機会をつくらせていただき、学校での子ども達の様子を見せてもらうのは、とても充実した時間となっている。ただ、現職のときから心がけているのは、学校で見られる子どもの姿は、生活の基盤となっている家庭生活(家庭環境・親子関係など)が背景にあり、また、その逆もあるということを念頭に、子どもに向き合いたいということである。
私自身、3人の子育て中は正直、妻任せで「ダメ父」であった。
ある時、子ども達の二段ベットの下から、新聞紙に包まれたコップの破片が見つかった。まさか、同じようなことを学校でもやっていないだろうか?と不安になりながら、3人の子ども達を呼び、「割ったこと」「黙っていたこと」「隠していたこと」などを強い口調で問いた。子ども達は、最初、お互いをかばい合うように、いわゆる嘘に嘘を重ねていたが、最終的に子ども達が泣きじゃくりながら話をしてくれた。3人のグシャグシャな泣き顔を見て「いったい自分は何をしてるんだろう」とハッとしたのを思い出すと、今でも心苦しくなる。「親として」に加え「教員として」が頭をよぎり、「導こう」という思いのあまり「なぜ、そういうことをしたのか」と子ども達の心に寄り添えなかったのである。
「親に心配をかけないように」「親に認めてもらえるように」と子どもなりに常に思い、家庭・学校の両場面で生活していると学んだ(反省した)出来事だった。

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