「時は金なり」~Time is money
上富良野中学校長 澤田 克之
夏の終わりとは言え残暑を感じる日が多いですが、朝晩は涼しく、秋の訪れを予感できる季節となりました。あっという間に冬が来るのが北海道の気候の特徴ですが、振り返ると時間が過ぎるのは早いとつくづく感じています。
「時は金なり」という格言があります。時間はお金と同様に貴重なものだから、無駄にしてはいけないという意味で使われています。この言葉の由来は英語の「Time is money」です。これは、アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンの言葉からきています。彼の功績や名言は後世まで伝えられ、100ドル紙幣の肖像にもなっています。「時は金なり」と同じ意味としても使われますが、本来、この言葉が意味するところの「Time is money」は、「機会損失」という意味を表現しているそうです。機会損失とは経済的な部分で利益を得る機会があったにも関わらず、異なる選択肢を選んだために本来得られたはずの利益を得られなかったことで、「Time is money」はこうした逆行できない時間への過酷を教えてくれるものなのかもしれません。だからこそ、今の時間を大切にしなければならないと思います。
時間に対する概念は、人それぞれ違います。私も皆さんも人生を振り返ると「この時こうしたから良かった」とか「あのときこう言ってれば」など、判断をする瞬間が多くの場面であったと思います。そして、すべてのことがうまくいき、今日に至っている人はいないはずです。成功体験も失敗した経験も今の自分を作っている原動力になっていると感じているからです。しかし、時間に対する意識が低く、時間がないのに大切なことを後回しにしてしまったり、約束の時間を守ることができなかったり、いつの間にか過ぎてしまうことは避けたいものです。振り返ったとき、自分がその時に判断したことを自分で納得できることが大切だと思います。
私たち大人、そして未来を生きる子どもたちも含め、時間という中の大切な瞬間を逃してしまうことがないよう、毎日の時間を大切に使っていきたいものです。
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