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中頓別版コモンズ形成事業について[令和5年度の取り組みについて]

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北海道中頓別町

先月号では、中頓別版コモンズ形成事業の「共助」の仕組みづくりや相談機能の整備、マッチング機能の整備を中心とした令和4年度の成果を紹介しました。
今月号では、令和5年度の事業内容や現時点での進捗について紹介します。

◆中頓別版コモンズ形成事業
中頓別版コモンズ形成事業は、住民相互の『共助の仕組み』を構築し、持続可能な中頓別町を目指します。中頓別町の住民の方達が培ってきた住民相互の助け合いの営みや昔の暮らしを改めて知り直すこと、また、現在、新たな仕組みや制度として構築されつつある事業・取り組みの現状や課題を各事業間で共有することを通して、中頓別町らしい「共助」の仕組みのあり方を考え、地域の中で実践につなげることを目指しています。令和4年度は、共助の仕組みづくり検討事業、相談機能の整備、マッチング機能の整備のため、中頓別町「共助」の仕組みづくり推進協議会の体制を整え、これらの進捗を確認しながら、プロジェクト推進を図ってきました。

◆令和5年度の事業内容
令和5年度は令和4年度に引き続き、「共助」の仕組みづくり、相談機能の整備、マッチング機能の整備を進めていきます。また、プロジェクト全体を管理統括するために中頓別町「共助」の仕組みづくり推進協議会を構成し、各種取り組みについて報告・議論を行います。

(1)町民インタビュー
北海道大学の学生による町民の方を対象としたインタビュー・聞き書き、住民相互の対話の場を設定します。令和4年度は70~90歳代の9名の町民の方にインタビューを行い、インタビュー内容は北海道大学の調査実習により「聞き書き中頓別」として1冊の本にまとめられました。今年度は幅広い年代、職業の方へインタビューを行います。インタビューの内容は、ライフヒストリー(生活史)、小さいころから今に至るまでの人間関係(社会関係)、生活・仕事の様子やそこでの課題、現在とこれからの中頓別について考えることなどです。町民の方が日頃思っていることや人生を通じて感じていることをインタビューによって明らかにし、これからの「まちづくり」につなげていくとともに、町民の方の町づくりに対する関心を高めることを目指しています。

(2)なかとん「くらし」座談会
移住相談をしたい移住希望者に向けた移住相談窓口の体制強化や情報発信、生活に不安を感じている住民の方の課題解決を目指す、なかとん「くらし」の座談会の開催、その他様々な方からの相談に対し、受け止め、寄り添い、解決へつなげるような窓口機能の整備などを行っていきます。
なかとん「くらし」座談会は、「くらし」に関するテーマに焦点を当て、個人の困りごとを町や地域の課題と捉えて、住民同士で話し合い、課題や将来の希望の共有、実践へつなげることを目的に行われています。今の時点での町の課題や困りごとだけでなく、数年後、10年後の中頓別のくらしがどうなっているかも視野に入れながら考えます。また、意見交換を行うことで、相談を受け止める「断らない」相談体制の構築を目指しています。6月16日に「聞き書き中頓別」の完成を記念して行われた座談会では、北海道大学 宮内 泰介教授からは、相手を理解するためには「聞く」ことが大切であることや、座談会をきっかけに新たなつながりができるので、そのつながりを大切にしてほしいと話がありました。今後も様々なテーマで座談会を実施する予定です。様々な課題を解決する方法の1つとして「マッチング機能の整備」と連動して、横断的に事業を実施する「縦割り」を超える取り組みを目指します。

(3)支え合いの仕組みづくり会議
「地域生活サポート事業」では、より利用しやすい形に進めていくため、現状の課題や取り組み事項について整理し、将来的には全世代の町民が「支え」「支えられる」全世代型ファミリーサポート事業の仕組みづくりを目指します。『ボランティア』として行う部分と『仕事』として行う部分を検討し、より利用しやすい事業を目指します。

▽地域生活サポート支援事業の料金体系

(4)ライドシェア交通グループ会議
「なかとんべつライドシェア」では、月1回程度の頻度で、ドライバーと事務局の意見交換を目的として「交通グループ会議」を行っています。また、平成28年8月の実証実験開始から令和5年3月までの間で、総走行距離は29,276kmでこの距離は地球1周の約73%の距離になります。今年度は特に、利用者とドライバーのマッチング向上に向けた取り組みを目指して現状の地域交通の課題を踏まえた新たな展開について検討を行っていきます。

(5)しごとマッチング機能の促進
町がこれまでに取り組んできた無料職業紹介所や特定地域づくり事業協同組合の取り組みを踏まえ、町民の方が相互に支援し合う共助の仕組みづくりを展開していきます。「中頓別無料職業紹介所」は有効求人件数、有効求職者数がともに伸びており、あっせん数も増えています。しかし、職種によっては、応募が少ない求人もあるので、今後、更なる情報発信などの施策が課題となっています。

(6)旧松田商店再生PJチーム
旧松田商店の立地特性や様々な展開が可能な土地面積、調理台や水回りなどが設置されている設備を活かし、地域課題を解消する場として利活用するための検討・運営の中心を担っています。旧松田商店の愛称は、先日まで行われていた投票により決定します。投票の結果、候補として、「旧松田商店、MATSUDA、モトマツダ」「なかとんスペース」「ふらっと、flat、なかとんべつ交流館『ふらっと』」が上位として挙がりました。この後、再度、協議を行い最終決定となります。また、建物は今後建物改修の設計業務が始まり、令和6年10月ごろのリニューアルオープンを目指して準備が進んでいきます。建物の不便解消や意見交換会の開催、勉強会の開催などについては適宜実施していきます。

●「聞き書き 中頓別」配布中
「共助」の仕組みづくりを検討するため、北海道大学文学部宮内教授と連携して、町民インタビューが行われました。その内容をまとめた冊子として「聞き書き 中頓別 北海道中頓別町の人と暮らし」が発行されています。長く中頓別で暮らしている方の人生から、中頓別のいまとむかしを知りなおし、これからの中頓別を考える内容となっています。表紙は菊地幸男さんが描いた上頓別の風景です。
冊子は役場、介護福祉センター、ほか町内数か所で配布しています。ぜひお手に取って、ご覧になってください。

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