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自治体の皆さまへ

まち ひと しごとVol.57

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北海道倶知安町

■愛され続けた歴史に幕を下ろす 感謝の気持ちを皆さんに
有限会社日進堂代表取締役 月舘孝昭(つきだてたかあき)さん
5月末をもって、100年近くにわたる長い歴史に幕を下ろし閉店した有限会社日進堂。月舘孝昭さんは、その3代目としてこの町で生まれ育った。
学生時代は、水泳や卓球をするなど、体を動かすことが好きだったと話すが、幼い頃から本に囲まれて育った環境が、今につながっているという。
「当たり前のように本が近くにあったので、昔から読書をすることが好きでした。その影響もあり、将来を考えるにつれて、自然と家業を継ぎたいと思うようになりました」
高校卒業後は道外の大学に進学し、卒業後は埼玉県の書店で2年間修行。日進堂に戻ってからは、販売する本の選書や事務機器の保守点検などを行ってきた。本は時代や流行にあわせて売れ行きも変わるため、月舘さんは、本はその時代を表していると話す。
「本を選ぶときは、自分の好きな数学や工学系のジャンルを混ぜるなど、遊び心を持って選んでいました。自分が選んだ本をお客さんが手に取ってくれたときは、うれしかったです」
漫画や小説などの本だけではなく、文房具や雑貨まで幅広い商品を販売する日進堂は、子どもからお年寄りまで多くの人に愛されたお店だった。今回、そんなお店を閉めることに寂しさも感じているという。
「日進堂という名前がなくなる寂しさはありますが、今回このような決断となりました。長く愛してくれた常連さん、これまで来店してくれた皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです」
昭和2年の創業から、ずっと駅前通りの同じ場所に店舗を構える日進堂。月舘さんも長い間この場所で暮らし、移り変わる町の様子をその目で見てきた。
「子どもの頃から慣れ親しんだ自然や環境は、これからも残していってほしいです。時代によって変わることは仕方がないことですが、急激な変化ではなく、町の良いところは残していく地域であってほしいです」
ずっと変わらずその場所にある『まちのお店』は、私たちに安らぎや懐かしさを感じさせてくれる。
今後も変化が続く倶知安町だが、そこに行くと、懐かしい『まちのお店』がいつも私たちを迎えてくれる、そんな町であり続けてほしい。

※まち ひと しごとは不定期連載です

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