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まち ひと しごとVol.58

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北海道倶知安町

■愛情いっぱいの花がこの町に彩りを
農業 中澤博美(なかざわひろみ)さん

花卉(かき)農家として、町内会などが行うまちなかの花壇作りを長年支える中澤博美さん。
お米や野菜を生産する農家の後継者として生まれた中澤さんは、高校卒業後すぐに農家としての道を歩み始めた。
「昔から農業の手伝いをしていたことや、この地域の自然が好きだったこともあり、農家を継ぐことにしました。農家として良いものを作りたいと続けていたら、いつの間にか50年以上が経(た)っていました」
緑豊かな倶知安の大自然、そこに調和する住みよい環境づくりのために、平成元年に設立された『倶知安町花と緑のまちづくり推進委員会』。
その事業の一つ『花いっぱい運動』は、町内会や学校、事業所などが花壇作りに参加することで、美しいまちづくりに関心を持ってもらうために行われている。
その立ち上げとともに花卉農家として花苗の生産を始めた中澤さん。当初は2戸で生産していたものの、現在は中澤さん夫婦が二人で、マリーゴールドやサルビアなどの5品種約3万株の花苗を育てている。
「当時の担当者に相談されたことがきっかけで、花卉の生産を始めることになりました。最初の頃はうまく育たないこともあり大変でしたが、周囲の人たちの支えのおかげで、ここまで長く続けることができました」
花作りを30年以上行っている今でも、新しい花を育てるときには、試行錯誤の毎日だという。町内の花壇を彩るほとんどの花を育てることへの責任を感じつつも、充実した毎日を過ごせていると話す。
「暑い日には頻繁に水をやらないと、すぐにしおれて駄目になってしまうなど、花の生産は一日一日、一年一年が勝負で失敗できないという思いがあります。ただ、毎年育った花を見て『きれいですね』と言ってもらったり、まちなかに飾られている花を見たりしたときは、苦労して育てたかいがあったなと感じます」
「今年も良い花が育って良かった」と笑顔で話す中澤さん。花と向き合う毎日を過ごした充実感と、それを無事終えることができた安堵(あんど)感をにじませる。
私たちが普段、何気なく目にし、そのたびに癒やされている道路脇の花壇、そして、そこに当たり前のように咲く色とりどりの花たち。
この町を彩るきれいな花の一つ一つには、中澤さん夫婦の愛情がたくさん詰まっている。

※まち ひと しごとは不定期連載です

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