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まち ひと しごとVol.59

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北海道倶知安町

■この町の自然に魅了されいつまでも描き続ける
画家 徳丸滋(とくまるしげる)さん
じゃが祭りのポスターを長年描くなど、私たちにとって、なじみが深い画家の徳丸滋さんは、帯広市で生まれ育った。
幼い頃から絵を描くことが好きだったという徳丸さんが、画家への憧れを抱き始めたのは、小学生のときだったと話す。
「友だちから『絵が上手だね』と褒められてうれしかったことや、町の中で絵を描いている大人の姿を見て『こんな生き方も素敵だな』と感じたことで、いくつになっても絵を描き続けていたいと思うようになりました」
高校卒業後に銀行へ就職した当初は、絵を描くことから離れた時期もあったというが、再び描き始めてからは、銀行員として働きながら、展覧会への出品や絵描き仲間との交流を深める日々を送った。
33歳のときに、転勤により帯広を離れ、倶知安の生活をスタート。7年後に、再び転勤となったが、すでにこの町の大自然に魅了されていた徳丸さんは、ここを離れるとき『いつか戻ってくる』ことを決めていたという。
「来る前は全然知らない土地で不安でしたが、スキーが好きで、暮らすうちに知り合いも増えていったので、今ではここに来られて幸せです。45年前に退職して、ここに戻ってきたときは、『自分の家に帰ってきた』と感じました」
虫や鳥、木々や草花などの自然を中心に多くの作品を生み出してきた徳丸さん。この地域には、雄大な自然や、そこに暮らす人々など、多くの魅力があると話す。
徳丸さん自身も、その魅力にひかれて移住した一人だが、今も多くの作家たちが、この地に集まっているという。
「ただ目に見えるものではなく、それを見て自分が感じたことや、その奥にある見えない部分を描きたいといつも思っています。ギャラリーなどで絵を見た人たちが、そこから何かを感じ取ってくれるとうれしく思います。絵を描く人が増えると、絵を楽しむ機会も増えるので、多くの人が美術・芸術に親しむ町になってほしいと思います」
徳丸さんは、町出身の画家・小川原脩などによって創設された『麓彩会』にも、早くから中心メンバーとして参加。小川原脩記念美術館の建設にも貢献し、平成24年からは、同館の名誉館長を務めている。
画家として長きにわたり活躍するだけでなく、この地域の美術・芸術の発展にも大きく寄与してきた徳丸さんだが、絵を描くことを楽しんでいた幼き日の延長に今があると話す。
そんな絵を描くことを愛する彼が、長く表現してきた作品の数々は、私たちの愛する『ふるさとの景色』を映し出している。

第65回麓彩会展(小川原脩記念美術館/10月7日~1月14日)で徳丸さんの作品を見ることができます。

※まち ひと しごとは不定期連載です

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