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小さな本屋のひそひそ話 第4回

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北海道大樹町

■どうやって本を選ぶの?
本屋をしていると、お客さんによく聞かれる定番の質問があります。ランキング形式で発表するとすれば、第3位は店の名前の由来、第2位は「どうやって本を選んでいるのか?」です。
広報紙では何度もお伝えしていますが、前職では「選書」を主な仕事にしていた私。その場所やその人、その時にあった本を選ぶために、まずは「知っている本」の数を増やさなければなりません。知っている本の数が増えるほど、引き出しの数が増えてぴったりの本を選ぶ精度が高まるからです。知っている本の数を増やすために私がしていることは、全部で3つあります。
まずは、大きな本屋に行くことです。大きな本屋に行くと新刊や話題の本が一目で分かります。シーズン毎にテーマを決めてコーナーを作っているお店もあるので、既刊の中でも「こんな本があるんだ!」と新たな発見があります。時間があれば特定のジャンルの棚を上から下、右から左にくまなくタイトルを読み、面白そうな本を探すこともあります。
2つ目は、毎日新刊をチェックすることです。皆さんは、日本で年間に発売される書籍の冊数がどのくらいになるか想像できるでしょうか。総務省のデータによると、令和3年は6万9千冊の本が発売されました。1日平均約200冊。これを毎日チェックしています。その中から面白そうな本は記録に残し、自分のストックにしているのです。
最後はSNSをチェックすることです。全国の有名書店や出版業界のインフルエンサー(影響力のある人物)、出版社などのSNSを軒並みフォローしていると、流行や売れ筋とは別の文脈で話題になっている本が見つかったりもします。やりすぎは良くないのですが、暇なときに見て、気になる本があればその本の画像を保存して、また自分のストックにしています。
これを読んで「大変だなぁ」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、私は努力してこれを日課にしているつもりはなく、ましてや苦労を感じたこともありません。ただ本が好きで、日々出版される本を知ることが楽しくて、こんなことをして過ごしています(おかげで肝心の本を読む時間が削られてしまうことには、矛盾を感じますが…)
ちなみに「お客さんに聞かれる質問ランキング第1位」は、「在庫はどこで管理しているのか」なのですが、これはシンプルに家です。たくさんの在庫を抱えていると思われがちなのですが、常にあるのはダンボール4個ほど。皆さんが思っている以上にうちは小さな本屋なのでした。

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