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小さな本屋のひそひそ話 第5回

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北海道大樹町

■本の強味、再考
本を扱う仕事をしていると、ほかの商材にはない「本だけにある強み」を感じるときがよくあります。それは「どんな場所、人、モノとでもコラボできる」という点です。
広報紙では何度もお伝えしているとおり、本のある空間づくりを仕事にしていた私。この「空間」というのも、カフェやレストランなどの飲食店、リハビリ施設や病院などの医療機関、旅館やホテルなどの宿泊施設、はたまた動物園や魚屋さんなど多岐にわたるのですが(これも何度もお伝えしていますね)リサーチを重ねれば、その場所に合うぴったりの本が必ず見つかります。
また、私がどこかのお店を間借りして本屋をするときはそのお店と、また何かしらのイベントに出るときはほかの出店者さんとコラボをすることもあります。お菓子屋さんと出店をした際は、共通の趣味がこけしだったので(←変な共通点)「東北への旅」をテーマに私は東北に関する本を、お菓子屋さんは東北の名産を使ったお菓子を販売しました。
本来の言葉の意味とはちょっと逸それるかもしれませんが、個人と本をつなぎ合わせるのも立派な「コラボ」といえそうです。最近は、特別なご依頼に応えることも増えてきました。「成人を迎える子どものために本を贈りたい」「認知症の親でも読める本はないか」など、その都度お客様のお話をしっかり聞き、ときにはアンケートに答えて頂いたりもして、その人に合う本をセレクトしています。
思えば、本に書かれていないことってほとんどないと思うのです。大型書店に行けば、「本」という媒体がどれだけ多くのテーマを内包しているかが分かります。「AIは今後どんな進化を辿るのか」「DIYで家を建てる方法」「死後の世界は存在するの?」「自分を好きになりたい」「古代メソポタミアの料理を作りたい」など、どんな突飛な疑問や好奇心にも応えられる本は、どんなものとでもコラボできる懐の広さを持ち合わせていると私は思うのです。

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