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病院だより No.78

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北海道天塩町

●スポーツの話題-1
山岳部出身の私は今も持久系スポーツが大好きです。40代前半はアマチュアスポーツでそこそこの成績も残せて、チームで日本一や海外遠征も経験しました。大学病院の診療、研究、教育の傍らでしたが「よく学びよく遊べ」の校風と、整形外科の専門的知識があるので少々有利だったかもしれません。できればスポーツ関連の話題を何回かに分けて取り上げたいと思っています。

1.勝つために休む勇気
実際、スポーツは常にケガと隣り合わせです。リスクを冒すかどうかは試合の駆け引きの一つですし、オーバートレーニングも十分故障の原因となります。試合は文字通り「試し合う」場ですが、それは実戦の技量だけでないのです。フィジカル(身体)の管理も実は成績に直結していることを競技者は忘れがちです。真のアスリートは、栄養・休息の取り方、弱点への気づき対処法等々、生活すべてをつねに競技能力向上のために考えて過ごします。「プロ選手が筋肉の張りを覚えて選手交代」などを耳にしたことがあると思いますが、故障につながりそうに感じたら競技や練習を中止するのも、こうしたフィジカル管理の一つです。勝つために勇気を持って休むことができる、これは強いアスリートの大事な要素の一つです。

2.安静期間にできるトレーニング
大リーグで大活躍のO選手。肘の治療でほぼ2シーズン本領を発揮できませんでした。ですがその間も最善のトレーニングを考え実践していたはずです。焦りも当然あったでしょう。競技に対する熱意、熱量がやはり超一流なのでしょう。白血病を乗り越え活躍中のI選手もしかりです。治療計画は医師から提案され、安静を要する期間も提示されます。リハビリに半年~1年ということがあるかもしれません。それで投げやりになったり、制限を破って練習する選手もいるかもしれませんが、上位を目指す選手にはなれないでしょう。実戦的な練習は当然できませんが、故障していない箇所のトレーニングはでき、体幹トレーニングや柔軟性を高める練習、フォーム改善など普段難しいメニューに集中できるチャンスになります。逆境をポジティブに捉える、スポーツが教えてくれる大切な一面です。

3.試合は総合力
大きな故障をしてしまうとその時点で対戦相手に対して大きなビハインドを背負ってしまいます。ケガのリスクを回避しつつ質の高い練習をつねに追い求めて下さい。練習時間の長さは問題ではありません。投球障害がとくに球数制限の明確化をいち早く進めており、ガイドラインが出ています。バレーボールやラケットを用いる競技も概ね参考となるものです。一度目を通しておきましょう。練習にはアップとダウンを取り入れ、練習量によってはクーリングできる物品も準備があるといいでしょう。柔軟性アップのメニューを必ず取り入れ、栄養補給の知識も重要となります。強い選手は実戦(練習)を離れている時にこそ、地味な努力を続けているものです。積み重ねてきたものを本番で十分発揮できるよう、テーパリング(試合前に練習強度を下げる作業)を忘れずに。いざ試合が始まったら、さあ感覚を研ぎ澄まして、全力集中!
(整形外科 橋本)

お問い合せ先:天塩町立国民健康保険病院
【電話】2-1058

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