天塩町長 吉田 忠
令和6年の新年を町民の皆様とともに迎えることができたことに慶びと感謝を込めてご挨拶を申し上げます。
私は、これまで長きにわたり培った町職員としての経験や町民の皆様との対話の中で、対話を重視した合意形成と町における政策立案の重要性を鑑み、「対話・協働・調和でマチを一つに」をスローガンに活力あるマチづくりに邁進しております。子どもからお年寄りまで笑顔あふれるマチへ、世代や業種を超えて相手を思いやりながら暮らせる、やさしいマチを目指し、町民の皆様、議員の皆様との信頼関係のもと、同じ方向を向きながら全力で取り組んでおります。
昨年は、5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行し、人の流れも徐々に戻りつつあると感じています。7月には、4年ぶりとなる町の一大イベントが、「天塩川しじみまつり」として初めて天塩川河川公園で開催され、皆様のにぎわいと多くの笑顔に感銘を受けました。
就任後すぐに、学校給食費の無償化や産業廃棄物処分場の再開、その後ゼロカーボンシティ宣言、まちづくり懇談会の開催など、まずは一歩一歩、是々非々で、皆様の知恵をお借りしながら奔走した年でございました。年末には、内閣府主催による「地方創生☆政策アイデアコンテスト2023」の高校生・中学生の部に、天塩高校2年生4名が筑波大学との高大連携ワークショップを通じて考案した町づくりアイデアが北海道代表として選抜され最終審査会に進出。全国から集まった9組によるプレゼンテーションが行なわれ、「夕日+α?!」と題した、天塩町の夕日をメインとした政策提案は、惜しくも上位3組に届きませんでしたが、高校生の堂々とした姿勢と活躍に勇気をもらったのは私だけではないと思います。
公約・政策に関しましては、基幹産業である農林水産業では、関係機関との連携を強化し、未来へとつなげる担い手の確保・育成に向けた国への支援策を要望し続けるとともに、天塩の特産品であるシジミ資源の回復と漁業資源の活用を推進してまいります。商工業分野におきましては、特産品やふるさと納税返礼品の開発促進による地場産業振興、地域の雇用や域内経済の好循環を見据えた産業振興を推進してまいります。福祉・医療分野におきましては、いつまでも住み慣れた町で安心して生活できるよう、医療・介護の充実はもちろん、公共交通体系の見直しを含めた温泉券・ハイヤー券を改良した新たな町民サービスを検討しております。また、町唯一の医療機関であります町立病院におきましては、平成30年以降、常勤医1名体制で運営しておりますが、現診療体制を維持していくとともに、常勤医師の複数配置と医療スタッフの安定確保に最大限努めてまいります。子育て分野におきましては、スポーツセンター前広場に遊具等を整備は始まっていますが、子どもの遊び場と子育て世代の交流の場を提供してまいります。また、公共施設等の老朽化も進行していることから、人口規模に応じた公共施設等のあり方にも、皆様の声を聴きながら検討をすすめてまいります。まずは、雄信内生活改善センターと雄信内老人憩いの家を対象とした施設再編を検討し、避難機能を備えた複合型施設整備の計画を進めているところです。
昨年は、北海道縦貫自動車道(天塩・中川間)の計画段階評価が本格的に始まり、11月には対策ルート案が示されました。今春にも再度、住民アンケートが行われますのでしっかりと周知・PR、一刻も早い着手に向けた要望活動に取り組んでまいります。また、天塩港湾建設や天塩川治水対策、天塩防災、農地防災、自衛隊訓練施設・訓練誘致、雄信内駐在所の建替えなど、各種期成会や管内・近隣市町村との連携を更に強化し、国や北海道へ働きかけを行ってまいります。
これら施策を通じて、先人の方々が築いた「ふるさと天塩」の将来を見据え、町民の皆様はもとより、関係する皆様と協働した調和のマチづくりを進める所存です。本年におきましても、町民の皆様におかれましては、ご健勝をお祈り申し上げるとともに、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
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