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自治体の皆さまへ

子どもたちの社会的自立に向けた学びの場と居場所づくり(2)

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北海道富良野市

■「まいくらす」ってどんなところ?
適応指導教室(まいくらす)で児童生徒の学習支援や体験活動などを行っている教育振興課のお二人に話を聞きました。

◆まいくらすの活動について
益田:生徒が自主的に取り組みたいと思っていることに寄り添った活動をしています。生徒の主体性を尊重し、心の居場所づくりを柱にした活動を通して、自分に対する信頼や自信が生まれ、自分のあるがままを受け入れていけるよう、生徒の自己肯定感を高めていければと思っています。

上埜:子どもが「こうなったらいいな」というイメージを具体的にお話してもらって、将来の希望や楽しみだという気持ちを持ってもらいたいと思っています。でも、そうなるまでには信頼関係を持たなければいけないと思います。趣味の話などを通じて関係づくりをすることが多く、そこから夢の話やイベントに出たいという話につながるので大切にしています。

益田:体験学習の活動については、生徒と相談しながらいくつか例を示した中から決めています。「まいくらす」での活動が、長い目で見て、生徒が自立して人や社会と関われる大人として成長していける、その一助となっていくことが大切だと考えています。

上埜:「まいくらす」の活動の中では、続けて行うことで結果がでる活動があります。成果になることを楽しみに通うことや、体験学習で楽しかったことを部活動などでもやってみたいと意欲につながることもあります。

◆まいくらすを卒業した後も
益田:まいくらすを利用していた生徒が学校に通えるようになった場合には、学校に主体的に関わっていただく中で、生徒の学校での様子を伺い、状況を見ながら保護者や生徒に連絡を取ったりしています。常に気になっていますね。以前、まいくらすを利用していた生徒が、自己実現に向けての一歩を踏み出し、自分が目指したことで活躍している姿を伺い知ったことがありますが、嬉しかったですね。

上埜:「これ」といったことをしたわけではないけれど、学校に通うようになったことがありました。何気ないその子の好きなことの話をして共有し、頑張っていることを言葉にして伝えたことで、認められる・褒められる経験となり自分を認めて、エネルギーを貯められたのかなと思います。

◆今と昔を比べると
益田:私が小さかった頃は、近所のおじさんおばさん、お兄ちゃんお姉ちゃんなど、地域の多くの人との関わりが強かったと思いますが、近年、このような地域社会の人と人の関わりが薄れてきているといわれています。加えて核家族化が進む中、子どもたちが多くの大人や色々な価値観に触れる機会が少なくなってきているのではないかと感じています。

上埜:SNSの影響は大きいと思います。確かに世界は広がりましたが、人と比べるようになり、自分の良さを見つけにくくなっているように感じます。

◆「居場所づくり」を目指して
益田:予約制の個別指導のほか、予約不要の曜日も設定しています。また、予約制の曜日でも予約の入っていない曜日もありますから、「行ってみようかな」と思ったら、気軽にフラっと遊びにきてほしいと思っています。

上埜:誰かに聞いてほしいことがあればいつでも来てほしいです。漫画、アニメ、ゲームが好きなのでそんな話も話せると嬉しいです。

・適応指導教室(まいくらす)の詳細…市公式HP

▽適応指導教室指導員
益田 昇悟(ますだしょうご)
適応指導教室(まいくらす)に入室している児童生徒の学習支援や体験活動の企画・運営を行う。
元高校教諭。富良野高等学校で校長を務めた後、平成30年4月から現職。

▽教育振興課(公認心理師)
上埜 舞子(うえのまいこ)
特別な支援を必要とする児童生徒に対し発達検査を行い、得意・不得意を明らかにし、今後の支援計画について学校や家庭に助言を行う。
適応指導教室では、入室している児童生徒やその保護者に対してカウンセリングを行い、学校復帰や社会的自立に向けた支援を行う。令和4年4月から現職

問合せ:教育振興課
【電話】39-2320

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