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子どもたちの社会的自立に向けた学びの場と居場所づくり(1)

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北海道富良野市

多様な要因、背景が複雑に関連して起こる不登校。子どもたちの社会的自立に向けた、富良野市教育委員会の取り組みを紹介します。

◆まずは受け入れること
令和4年度、富良野市立学校に通う子どものうち、不登校の小学生の割合は約2%、中学生約9.8%となっています。この5年間だけでも、およそ3.2倍となり、毎年増加しています。北海道や全国でも同様に増加してきており、社会問題となっています。
子どもを支える大人たちが、不登校の子どもたちに「寄り添うこと」「共感すること」「思いや考えを受け入れること」が重要です。不登校の理解は子どもの気持ちに寄り添うことから始まります。そして、子どもへの支援は、その気持ちを受け入れることが第一歩となります。
不登校の理由を子どもに聞くと、「なぜかわからないけれど行けない」「理由は思いつくが、その問題を解決しても行けない」といった答えが返ってくることがあります。不登校は、様々な理由が複雑にからみ合っていることが多く、特定できない場合もあります。大切なことは、保護者が焦らず、本人に寄り添い、必要な支援を考えていくことです。
文部科学省が行った調査では、不登校を経験した生徒の32.6%の人が「行かないことに意味があった」と答えています。「休んだおかげで今の自分がある」「出会いがあった」「成長した、視野が広がった」という意見もあり、不登校を肯定的に捉えている経験者が多くいることがわかります。

◆校内での居場所づくり
登校はできても、教室に入ることができない子どもたちが安心して過ごせるよう、学校図書館や空き教室を活用した「居場所づくり」の取り組みを進めています。子どもたちの状況に応じ、スクールカウンセラーと連携した支援、授業の合間に担任が来室して学習支援などを行っています。

◆ICTなどを活用した支援
不登校の子どもたちの中には、家からでることができず、十分な支援を受けられなかったり、学習の遅れなどが、学校への復帰や中学校卒業後の進路選択の妨げになる場合があります。このような子どもたちを支援するため、自宅において、ICTなどを活用した学習活動を行っています。

◆適応指導教室(まいくらす)
適応指導教室(まいくらす)は、不登校の子どもたちの社会的自立に向けた力を高めていくために、平成15年10月から富良野市教育委員会が設置しています。学習支援だけではなく、体験活動やレクリエーション、公認心理師によるカウンセリングなど、様々な支援を行っています。
また令和5年度から、支援が行き届くように、学校支援ボランティア「メンタルサポーター」を募り、取り組みをスタートしました。活動内容は、まいくらすやまいくらす以外の場所での学習支援や相談支援で、必要なスキルの研修を行いながら取り組みを進めていきます。

問合せ:教育振興課
【電話】39-2320

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