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言葉を通して知るアイヌ文化2

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北海道幕別町

カムイ
今回は「アイヌ」と対になる「カムイ」を取り上げます。
アイヌ語では、カムイのカではなくムの部分を高く発音します。カムイは普通、「神様」と訳されますが、日本語の神様とはイメージが異なります。
カムイとは、ごく簡単に言うと、人間にない力を持ったものを指します。動物や植物だけではなく、風や雷などの自然現象、さらに人間のつくった家屋や舟などもカムイとされます。
カムイがそうした力を持ったり、活動ができたりするのは、魂を持っているからだと考えられています。カムイは、カムイの世界にいるときは魂の状態で、人間と同じ姿で生活しています。魂のままでは人間には見えませんが、カムイが人間の世界にやってくるときに衣装を身につけることで、人間の目に見える姿になります。そして、カムイは衣装である毛皮や肉、木の実や木材を人間にもたらします。人間はそれらをお土産として受け取ったお返しに、感謝の祈りや御ごへい幣、お酒や御馳走を捧げます。カムイの魂はカムイの世界へ戻りますが、丁寧に祭られたカムイは立派なカムイとなり、仲間たちから尊敬されるのだと言います。
カムイは人間を支配する存在ではなく、人間と恩恵を与えあう関係にあるのです。

著:阪口諒(さかぐちりょう) 

問合せ:生涯学習課 学芸員
【電話】(幕)54-2006

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