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【特集】~みんなで考えようケアラー支援のこと~(1)

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北海道恵庭市

■ケアラーやヤングケアラーってなに?
近年増加していると言われているケアラー。しかし、多くの人はケアラーの存在や負担について知らないのが現状です。
ケアラーやヤングケアラーが抱える負担とは何か。実態を知り、みんなで考えるきっかけとしませんか?

◆ケアラーとは?
「ケアラー」とは、こころやからだに不調のある家族や近親者、友人、知人のために、介護、看護、療育、世話、気づかいなどを無償でケアしている人のことです。
なお、高齢者の介護だけが対象ではなく、障がいのある子どもの子育てをしている人なども含まれます。
現在、日本における介護者の約7割は家族というのが現状です。

◆ヤングケアラーとは?
「ヤングケアラー」とは、家族にケアを要する人がいる場合に、ケアを引き受けている18歳未満の子どものことです。家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っています。
特に、ヤングケラーは〝表面化しづらい〞と言われており、子どものころから当り前に日常的な介護や支援を行い、その対象が兄弟や両親などの近親者のため、「自分が手伝うのは当たり前」と思ってしまう傾向が強いからです。
ただ、ヤングケアラーが介護や支援を担当することは、さままざまな問題が考えられます。
まず、学校への遅刻や早退、欠席が増えるなど学業への影響が懸念されます。また、友人とのコミュニケーションを取れる時間が少なくなってしまうことや、自分ができると思う仕事の範囲を狭めて考えてしまうといった就職への影響などがあげられます。
このように、身近な人に世話が必要となったとき、大人から子どもまで、誰もがケアラーになる可能性があるのです。

◆ケアラー支援策の検討
こうしたケアラーやヤングケアラーの問題を、どのように支援していくのか。
市は、令和4年度から庁内関係部署が集まり、制度の理解や支援の在り方について検討を始めました。
また、専門家や地域の声を今後の施策などに反映するため、大学教授や地域住民の代表など12名で構成された『恵庭市重層的支援及びケアラー支援検討会』を設置。実態調査結果に対する意見交換などを行いました。
令和5年2月には、北海道ヤングケラー相談サポートセンターの加藤センター長による講演会を開催。学校や介護・障がい相談事業所、サービス事業所など約50人の専門職が参加し、ヤングケアラーについて理解を深めました。
今後は、さらにケアラーを地域全体で支えていけるよう、令和6年度にケアラー支援条例の制定を目指しています。

◆ケアラー実態調査
市内のケアラーやヤングケアラーの実態、ニーズの把握をするため、市は令和5年2月に実態調査を行いました。
調査は、高齢者や障がい者をケアしている家族、高齢・障がい者相談支援機関などを対象とした『ケアラー実態調査』と、市内中学2年生と公立・私立高校2年生(定時制含む)、中学校及び高等学校各校代表者、スクールソーシャルワーカーを対象にした『ヤングケアラー実態調査』の2種類を実施。ケアラー実態調査は、対象550人に対し72・9%、ヤングケアラー実態調査は、対象1246人に対し39・7%の回答がありました。
ケアラー実態調査では、世話をしている人の状況やケアの頻度など、全38項目について調査。高齢者をケアしている人は、「子」と「配偶者」が約94%、障がい者や障がい児をケアしている人は、約95%が「父母」であることがわかりました。
つぎに、ケアの頻度については、高齢者をケアしている人の約75%、障がい者をケアしている人の約89%が毎日と回答しています。
また求めている支援策としては、「緊急時でも安心して預かってくれる場所」や「何でも相談できる窓口」を必要としている回答が多く、頼れる場所や人を求めていることがわかりました。

問合せ先:福祉課
【電話】33-3131(内線2962)

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