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自治体の皆さまへ

≪特集≫認知症に寄り添う(1)

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北海道新ひだか町

誰でも発症する可能性のある認知症。大変な病気だからこそ、不安になり、悩みます。分からないことや不安を誰かに話すことで、気持ちが楽になったり、安心できたりします。
あなたの思いや家族の思いを聞き、寄り添う人がいます。
ひとりで抱え込まず、誰かに話してみませんか。

認知症は、さまざまな原因で脳の細胞が死んだり、働きが悪くなったため、記憶力や判断力の低下などさまざまな障がいが起こり、社会生活や対人関係など日常生活に支障が出ている状態をいいます。
現在、急速に進む少子高齢化社会の中で、国内の認知症高齢者数は令和7年に700万人を超え、65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症になると推計されています。新ひだか町でも令和7年には認知症高齢者数が1,500人に達する見込みで、認知症は自分自身や大切な人にも関わってくる身近な病気です。
認知症の方も、そのご家族も、安心して地域で暮らせるために、適切な治療や支援が大切です。

◆2015年(平成27年)→2040年(令和22年)高齢者の5人に1人は…

◆認知症サポート医 臼井先生から学ぶ認知症
臼井 鉄郎(てつろう)医師(精神科医)
平成25年4月より石井病院に勤務され、認知症サポート医として地域の認知症患者やご家族に寄り添いながら相談、治療などを行っている臼井先生に、認知症について伺いました。

▽早期発見の重要性
現段階で認知症自体を治すことはできませんが、治療により進行を緩やかにすることができます。
また、早期発見により、治療や支援などを医師や専門員に相談することで、本人や家族の心身の負担を減らすことができ、それぞれが自分らしく生活できる一助になり得ます。

▽認知症治療
薬による治療(薬物療法)と薬を使わない治療(非薬物療法)があります。
薬による治療は、記憶障がいなどの中核症状(※1)の進行を遅らせたり、暴言や妄想など周辺症状(※2)の改善に効果があります。
薬を使わない治療では、リハビリテーションなどのプログラムへの参加など人と関わることで、脳が活性化され認知機能の改善が期待されます。

▽発症後に大切なこと
糖尿病などの基礎疾患が悪化し、入院になると環境が変わり、治療のストレスから認知症の症状が進行したり、転倒による骨折が寝たきりにつながるので、身体管理は重要です。
関わり方では、記憶力や理解力が低下し、注意力が持続できなくなるので、伝えたいことは手短に、なるべく簡単に、ゆっくり話すことが大切です。
また、本人はできないことに不安になったり、自信がなくなっていることもあり、役割を持ってもらうことも大切ですが、できないことは無理させないようにすることも大切です。

▽サポート医として伝えたいこと
認知症は大変な病気で、誰もがなる可能性もあるため、高齢の方などは定期的に検査を受けることが大切です。
また、日常生活の中で自分自身が違和感を感じたり、家族がその人の様子に違和感を感じたときは相談しましょう。
いつも、ご本人やご家族には「健康第一、みんなとお話してニコニコして過ごしてください」と話しており、認知症の方が住み慣れた地域で少しでも長く暮らしていただきたいと思っています。

[チェック!認知症の初期症状]
(1)同じことを何回も話す・尋ねる
(2)物の置き忘れが増え、よく捜し物をする
(3)以前はできた料理や買い物に手間取る
(4)お金の管理ができない
(5)ニュースなど周りの出来事に関心がない
(6)意欲がなく、趣味・活動をやめた
(7)怒りっぽくなった、疑い深くなった

【用語説明】
※1 中核症状…記憶障がいや見当識の低下、失語、理解・判断力の低下などがあります。
※2 周辺症状…暴言・暴力、徘徊、妄想、幻覚、抑うつなどの症状があります。

◆認知症伴走型支援事業
町では、令和5年4月より認知症に関する相談支援を行う認知症伴走型支援事業を行っています。
この事業では、日頃よりグループホームで認知症支援に取り組んでいる認知症ケアの専門職員が伴走者として寄り添い、認知症の方やその家族を継続的に支えます。

▽伴走型支援
「伴走型支援」とは、認知症の方が住み慣れた地域で自分に合った生活が送れるように、認知症ケアの専門職員が本人やその家族と早い段階から関わり、物忘れや理解・判断力の低下などの症状の変化や、それに伴う日常生活での支障について、その都度相談に乗り、適切なサービスや治療につなげるものです。

~認知症伴走型支援事業のイメージ~

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