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≪特集≫しんとく全町教育(1)

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北海道新得町

全町教育が始まって今年で12年目を迎え、全町教育という名称や取り組みは町民のみなさんに浸透してきています。
しかし、具体的に何をしているのかわからない方もたくさんいらっしゃると思います。
今回は、全町教育についてご紹介します。

◆全町教育のまち 新得町
近年、核家族化や少子化、価値観の変化やライフスタイルの多様化などを背景として、一昔前まではあたりまえのようにあった、地域社会のつながりや支え合いが薄れてきています。その結果、地域で子どもを育てていこうという考え方が次第に失われてきています。
また、コロナ禍の影響もあり、様々な人との交流や、イベント・行事など人が集まる機会が減ってきていることなどから、子どもたちの規範意識や社会性が十分に育まれないことや、生活習慣の乱れなどによる学習意欲や体力・気力の低下などが全国的に課題となっています。
これらの課題解決のためには、保護者・学校だけではなく、地域住民も含め、町民一人一人が教育の当事者となり、地域全体で子どもたちの学びを支えていこうという意識とその環境を整えていくことが必要です。
そのために新得町では「全町教育」を推進しています。

◆学びを通したまちづくり
学校・家庭・地域が、子育ての実践を通して互いに連携・協働することによって互いに学び合い、それぞれの立場で子どもたちの成長を支えていこうという取り組みが「全町教育」の理念です。
この取り組みを通して、「地域とともにある学校づくり」や、「地域コミュニティの活性化」、まちづくりの原動力となる「地域力の向上」を目指しています。

◆真の学力と大人の自分育て
全町教育の目指すものは、「真の学力」の向上と「大人の自分育て」の2つを目的としています。

「真の学力」とは学校の勉強だけではなく、様々な体験活動や人とのふれあいなどによって育まれる「学び続ける意欲」、「課題を解決するための力」、「様々な人と関わる力」の3つの力を新得町では「真の学力」ととらえています。子どもたちは家庭や学校で日常的に関わる大人以外の方や、地域の様々な人と関わる中で、家庭や学校では得られない知識や技能を身につけるとともに、社会性や豊かな人間性、自己肯定感などが育まれていきます。

「大人の自分育て」とは、地域住民による主体的な学習活動(生涯学習)の活性化と、学びを通じた町民相互のつながりにより、大人や地域の「教育力」向上を目指すものです。
地域住民が持つ多種多様な知識や技能を社会教育や学校教育の場で子どもたちに伝えたり、体験させたりすることは、子どもたちにとって大変貴重な機会になると同時に、それに関わる大人側にとっても子どもたちから多くのことを学ぶ機会となります。

学校と地域が連携・協働することにより、子どもの育ちを軸としながら、子どもも大人も共に学び合い、育ちあう機会を創り出し、大人と子どもの関わりや、大人同士の絆が深まることで、地域力の向上も期待されます。

◆全町教育の取り組み
平成23年度に全町教育推進本部を立ち上げ、全町教育の取り組みが始まりました。平成24年度には町民目線からの活動推進を目的として地域コーディネーター会議を設置し、なかよし学習塾や全町教育まつりなどの事業を実施しました。その後、全町教育講演会や子育てに関する学習会などを開催で、大人の学ぶ機会が徐々に増えた他、土曜授業の開催や全町教育推進に関する広報紙「えんがわ」の発行などの各種事業も始まり、全町教育の動きが徐々に広がりを見せてきました。
平成28年度からは今まで以上の全町教育の普及・推進を目的として全町教育推進会議を設立し、町民15名を委員として委嘱し、各種事業を推進することとなりました。令和2~3年度はコロナ禍ということもあり一部事業が実施できない期間もありましたが、しんとく魅力再発見事業などの新規事業を含め、徐々に各種事業が実施され始めています。

▽取り組み例1 なかよし学習塾
「全町教育」という理念を定義付けする前の、平成21年度から「なかよし学習塾」はスタートしており、学習や体験活動を通して、子どもたちの勉強する機会を設けると同時に、達成感や満足感を得ることを狙いとした、普段なかなか触れることのできない体験活動を行っています。
今年は7月25~26日に開催され、小学生延べ174名が参加し、町民ボランティアは延べ71名参加しました。体験活動は2日間をとおして9種類実施され、数多くのボランティアにご協力いただきました。
子どもたちの「真の学力」向上はもちろん、大人は体験活動などを通して子どもに教えることに充実感や満足感を得たりするなど、自分磨きのきっかけともなりました。

▽取り組み例2 全町教育まつり
全町教育まつりは毎年11月に開催しており、教育委員会、学校、各種団体(地域協議会)などが協力し、「子供を育てる地域の和・地域を育てる子供の笑顔」をキャッチフレーズに、過去9回開催しており、初回開催となった、平成24年度は参加者1300人を超える大規模イベントになりました。
全町教育まつりの内容としては、各種ワークショップを体験したり、こども縁日などの催し、新得音頭の披露、過去には昔懐かしの給食の試食などもありました。
令和4年度は新得中学校の吹奏楽演奏や、しんとくクイズなどの新たな試みも開催され、その年によって実施内容も変化しています。

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