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≪特集≫しんとく全町教育(2)

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北海道新得町

◆しんとく全町教育を支える人たち
▽いろんな大人と関わって子どもは育つ
地域コーディネーター 畑中 京子さん
新得小学校で養護教諭をしていた畑中さん。校長先生の何気ない一言から畑中さんの全町教育は始まりました。
「当時の校長先生に『全町教育には何が必要かな?』と聞かれた際に真っ先に『食育』と答えました。私は日頃から子どもの食について養護教諭の立場で重要な課題としていましたし、食について学ぶ『食育』の必要性が認知され始めていた時期でもあったからです。」
手探りの状況の中、最初に取り組んだのは地元野菜を使用した新得ピザの販売でした。
「地元農家さんや事業者さんと繋がり、ピザに使う野菜などを提供いただきました。作る、食べる、販売するということを子どもと大人が共通の経験をして、地産地消の重要性を学ぶことができ、非常に良い取り組みになりました。」
現在は子ども食堂の活動にも力を入れている畑中さん。『食育』を通じて行なってきた様々な体験・経験は子どもの心身の発達に深く関係していると、畑中さん自身強く感じています。
「子どもが成長していくには保護者や、学校の先生などの大人だけでは不十分。やっぱり、地域の色々な大人たちと関わり、経験・体験を積むことで、後々の人間性の深みに差が出てくると感じています。」

▽もっと自然に触れる機会を
地域コーディネーター 加藤 博さん
加藤さんは町の交通安全指導員として働くかたわら、全町教育の各種取り組みに協力しています。
「毎年11月に開催している全町教育まつりでリース作りの体験活動を担当しています。きっかけは、私より前にリース作りを担当していた人がいたのですが、その方の後任として担当することになりました。自然の素材を使用するので、材料集めに結構時間を費やしますが、毎回、子どもたちが楽しく取り組んでくれますし、大人も子ども以上に一生懸命製作していると、見ていて嬉しく思います。大事なのは大人も子どもも何事にも真剣にやることだと思います。」
2~3ヶ月の頻度で町広報紙に織り込まれている、全町教育広報紙『えんがわ』の制作も行なっている加藤さんは、自身の畑の近況を伝える『のらのら農園栽培日記』を連載しており幅広い世代から読まれています。リース作りや畑など自然を愛する加藤さんは、自然と親しむ活動を実施したいと考えています。
「例えば、私の畑で野菜の収穫を行なったり、リースに使用するような自然のものを見つけに行くなどして、自然に触れる機会を増やしたいです。」

▽子どもたちを地域総がかりで育てる
富村牛小中学校 石丸 揚一郎 校長
新得町立富村牛小中学校に令和3年度に赴任し今年で3年目となる石丸校長。富村牛小中学校とトムラウシ地区の距離感について次のように語ってくれました。
「富村牛小中学校は運動会や学芸会などの学校行事はもちろん、グリーンクラブの活動、町内会登山、クリスマス会、節分などの地域行事も全てトムラウシ地域総がかりで取り組んでいて、保護者さまや学校以外の地域の人たちとの交流が常にあるので、地域全体で子どもたちを育てる環境にある富村牛小中学校は本当に素晴らしい環境だと感じています。ここまで地域と密接に繋がっている学校は私の教員人生で初めての経験です。」
富村牛小中学校は現在の児童生徒数は11人でその半数以上は町外からの山村留学生です。子どもたち全員を大人が責任を持って育てている、このトムラウシ地区と学校の結びつきは町が目指している全町教育そのものを実践している地区と石丸校長は感じています。
「学校は地域を、地域も学校を必要としているこのトムラウシ地区は、今後も持ちつ持たれつの関係性で密接に連携しながら子どもたちを育てていきます。」

▽多くの人でひとつのものを作っていくことが楽しい
全町教育専門員 中村 吉克さん
現在、全町教育専門員として勤務する中村さんは仕事としての立場、地域のボランティアとしての立場で長年関わり続けています。
「全町教育を立ち上げた平成23年度当時は、教育委員会社会体育係で勤務しており、町職員の立場で全町教育に関わっていました。立ち上げた当初は、何をやるにも全てが手探りでしたが、次第に多くの人が関わりひとつのものを作っていくことが楽しい、素晴らしいと思うようになり、教育委員会から異動となった後もボランティアの立場で関わり続けていました。」
中村さんは町職員を定年退職した後、全町教育専門員として再び仕事として関わっています。中村さんは今後の全町教育の普及について次のように語ってくれました。
「全町教育という言葉は聞いたことがあっても、実際に何をすれば良いのかわからない人はたくさんいると思います。まずは難しく考えずに町民の皆さんが行っている、子どもに関わるどのようなことも全町教育の一貫ですと、普及啓発していきたいです。また、町内で行われるイベントや行事にたくさんの町民のみなさんが集まり、子どもを通じて大人同士が、より繫がりあう町にしていきたいですね。」

≪子どもと大人が ともに 学び合い 育ち合う まち しんとく≫

◆私たちができること
「全町教育ってどんなことをやってるの。」と聞かれることがよくありますが、町民みなさん全員が「全町教育」に直接的・間接的に携わっていることになります。
先に紹介した「なかよし学習塾」や「全町教育まつり」などの開催はあくまで全町教育という理念・考え方を広く普及するための一つの手段であって、全てではありません。例えば、町内行事のボランティア協力も、学校行事の参加・協力も、少年団の指導も、子どもと大人が共に成長していくという意味で、全町教育の理念に合致しています。
コロナ禍の影響からいくつもの町内行事が延期や中止となり、地域との繋がりが一時弱まる時期もありましたが、コロナも落ち着き始め、行事・イベントの開催が再開してきている今だからこそ、子どもも大人も地域とのつながりを再確認する必要があると感じます。
まずは学校行事、地域行事などに参加し地域とのつながりを再確認してみませんか?
全町教育の普及は人と人とが繋がるところから始まります。

全町教育についてなんでもお答えします。
教育委員会学校教育課
【電話】64–0531(担当:中村)

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