焼き芋やスイートポテト、天ぷら…。秋の味覚といえば、サツマイモ。近年、旭川市でも生産量が増えているのをご存じですか?注目される背景やおいしさの秘密を紹介します。
Q 寒冷地の旭川でサツマイモが栽培されているって本当?
A サツマイモは寒さに弱く、国内の主産地は鹿児島県や茨城県など関東以西です。従来は東北南部が北限とされてきましたが、温暖化の影響もあり、徐々に栽培地域が北上。需要が堅調な作物で輪作も可能なため、注目されています。市内では令和2年頃から本格的な栽培が始まり、今では30人以上の生産者がいます。
Q 市と農業センターではどんな取組みをしているの?
A 市では機械導入費用などの一部補助やPRを通じ、JAや農業者による生産拡大を後押ししています。農業センターでは技術面から支援をしており、令和2年度からサツマイモの栽培試験を行っています。近年は需要の高まりから苗の確保が難しくなっているため、今年度から、寒冷地でも生産者が苗を増やせるようにするための試験を開始。「旭川版自家増殖マニュアル」の作成を目指しています。
Q 本州のサツマイモと違う特徴は?
A 本州の主産地に比べて収穫までの積算気温※が低く、品質にも違いが生じます。でんぷん量が本州産より少なめで、ほくほく感はないものの、加熱による糖化が進みやすい特徴があることから、ねっとりとして非常に甘いサツマイモになります。これは近年の消費者の嗜好(しこう)にも合っています。
※苗を植えてから収穫までの、1日当たりの平均気温の合計
■旭川市農業センター 黒田裕一(くろだゆういち)さん
昨年発表された寒冷地向け新品種「ゆきこまち」の生育も調査しており、今後は、市内での適応性や品質等について生産者に情報提供していきたいです。これからも品質が良く、おいしい旭川産サツマイモの生産安定のために頑張ります。
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