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菅井貴子(すがいたかこ)さんと考える札幌の気候変動

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北海道札幌市

4月15日、市では北海道とともに脱炭素社会の実現に向けた「北海道・札幌宣言」をするなど、気候変動対策を加速しています。
今回は、気象予報士の菅井貴子さんへのインタビューを通して、市内の気候変動の現状と、私たちができることを考えます。

■当たり前になりつつある「観測史上一番」
札幌は気象観測の歴史が深くて、147年前には観測が始まっているのですが、最近「観測史上一番」という言葉が日常的になってきたと感じます。今年の3月は過去最高の平均気温を記録しましたし、おととしは夏に最高気温が35度以上となる猛暑日が、3日ありました。お天気コーナーを担当する中で、札幌の気候が変わってきていると日々思っています。

■気候の変化の影響は生活に被害を与えることも
気候の変化は、すでに暮らしに影響を及ぼし始めています。例えば、春先に暖かくなるのが早くなると作付けの時期も早まりますが、5月、6月に急に気温が下がって早朝に霜が降り、作物が台無しになってしまうことも。近年、深刻な頻度で発生しているゲリラ豪雨は、道路を冠水させ、地下に流れ込んだ水がマンホールのふたを押し開けます。また、雪の影響を受けずに快適に過ごすためにつくられた地下街や地下鉄などは、大雨によって浸水の被害を受けないように対策をしていく必要があります。このように、気候の変化によって、私たちの暮らしに関わるさまざまな方面に影響が出てきています。

■環境に良いことは自分にとってもお得なこと
では、私たちにできることはどんなことでしょうか。環境に良いことと考えると少し身構えてしまいますが、まずは自分にメリットのあることから始めてみると良いと思います。小まめに電気を消せば電気代の節約になるし、歩いて通勤すれば運動の機会になり、季節も感じられて気持ちが良い。環境に良いことは、実は自分にとってもお得なことがたくさんあるんです。

■もう一歩進んで地産地消の取り組みを
それから、食が豊かな北海道でおすすめの取り組みが地産地消。私の出身地の神奈川県は食料自給率が低く、そば粉は中国産、納豆の大豆はカナダ産というように、遠くから船で運んでこないといけないものも多いんです。輸送にはたくさんのエネルギーを使い、地球温暖化の原因となる二酸化炭素も出てしまいます。札幌は郊外に田んぼや畑があり、果樹園などもありますよね。新鮮でおいしく、輸送に使うエネルギーが少ない地元の食材を積極的に買って食べるというのは、札幌・北海道だからこそできる素晴らしい取り組みだと思います。

■天気予報を見て地球の声を聞いてほしい
春に一斉に咲き誇る花や、夏の空の鮮やかな青さ、秋の発色豊かな紅葉や、冬の透き通った雪景色は、気候がもたらす札幌の大きな魅力だと思います。それらを守っていくためにも、地球の変化に注目してほしいなと。地球は言葉を話せないので、唯一の表現方法が天気だと思うことがあって。天気は地球からの言葉で、異常気象は地球からの悲鳴なんだと捉えています。皆さんも、日々の天気予報やニュースから地球の変化を感じ取って、何かできることから始めてみようかなと思っていただけるとうれしいです。

・菅井貴子
神奈川県生まれ。現在は北海道文化放送(UHB)の「みんテレ」でお天気キャスターを務める。気象予報士、防災士、科学技術エコリーダーなどの資格を持ち、講演やコラムの執筆なども行う。

■今日から実践! 私たちが家庭でできる取り組み
・食材は食べきれる分だけ買う…年約9千円の節約に
・短い距離の通勤を自動車から自転車や徒歩に…年約1万2千円の節約に
・クールビズ・ウォームビズを実施…年約4千円の節約に
・冷蔵庫やエアコンなどを省エネ家電に買い替え…年約2万8千円の節約に

参考:脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動(環境省)

○住宅エコリフォーム補助金制度も活用しよう
窓や風呂、トイレなどの省エネ改修や、手すりなどのバリアフリー改修にかかる費用の一部を補助します。
対象:市民か、市内に本店・支店がある営利法人で、市内に住宅を所有か居住している方
申込:ホームページで配布中の申込書を、6/9(金)から22(木)(必着)まで。抽選

詳細:住宅課
【電話】211-2807
「札幌 住宅エコリフォーム」で検索

詳細:広報課
【電話】211-2036

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