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自治体の皆さまへ

ヒグマについて学び、行動しよう

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北海道札幌市

最近、住宅地やその周辺への出没が相次いでいるヒグマ。市民の安全のため、市街地に出没した場合は捕獲を最優先に対策を行う一方、ヒグマは豊かな自然の象徴ともいわれます。このページでは、ヒグマの生態や被害に遭わないための対策などをお伝えします。

■ヒグマの生態
・体長
オス約2m
メス約1.5m

・体重
オス150~400kg
メス100~200kg

国内の陸上動物で最大!

・嗅覚
地中に埋まった食料やごみを見つけ出せるほど敏感

・食べ物
主に草や木の実を食べる。雑食性で、おいしくて手に入りやすい食べ物があると執着する

・性格
普段は人を避けて生活するが、人の食べ物の味を覚えると、人が暮らす場所に繰り返し出没することもある

・脚力
時速40km以上で走ることもできる。走るものを追う性質がある

・ヒグマの「ふん」の見分け方
大きさ:大きいもので30cmほどのものもある
状態:消化能力が低く、食べた物がそのままの形で出てくる場合が多い
[間違われやすい例]
エゾシカのふん→植物の繊維が細かくすりつぶされている
におい:食べた物そのままのにおいが多い。草や果実を食べた時のふんは、不快なにおいがほとんどない
[間違われやすい例]
・エゾタヌキのふん→強いにおいが特徴

◆市内での出没が増えています
市内のヒグマ出没件数※

本年1~6月の市内の出没件数は114件(中央区9件、東区1件、豊平区1件、南区81件、西区13件、手稲区9件)で、直近10年間で最多となりました。
※ヒグマらしき動物の目撃情報を含む

◆ヒグマの生態に詳しい佐藤喜和(さとうよしかず)教授にお聞きしました
酪農学園大学環境共生学類教授、ヒグマの会事務局長、日本クマネットワーク代表。
札幌市などを主な調査地に、ヒグマの生態や人間との関係などについて研究している。

▽札幌で出没が相次ぐ理由
ヒグマが生息する森林が、市街地と広範囲で接していたり、市街地にある河川や緑地とつながっていたりするなどの地理的特徴に加え、道内のヒグマの生息数が増加傾向にあることが挙げられます。また、市街地近くの森林で生まれ育ったことで、工事や車の音、行き交う人の気配に慣れ、人を恐れないヒグマもいます。このような都市周辺での暮らしに順応した「アーバン・ベア」の増加も原因として考えられます。

▽人とヒグマの命を守るために
人とヒグマが生息する場所を、それぞれ分けて管理し、「すみ分け」を図ることが大切です。もちろん、市街地に侵入した場合は、捕獲を最優先すべき。一方で、ヒグマが侵入しやすい場所には電気柵を設置したり、身を隠せる草を刈ってヒグマに境界線を意識させたりすることも、人とヒグマの命を守る上で重要です。

◆ヒグマに出合わない、引き寄せないために
▽最新の出没情報を確認する
・最新のヒグマ出没情報を、市公式LINE(ライン)の「ヒグマ出没情報」やホームページから確認できます。
[住宅地では]
・家庭菜園に電気柵を設置し、ヒグマを人の食べ物に寄せつけない
→特に8、9月はヒグマが生息する森林に食べ物が少なく、農作物への被害が出やすいので注意!
・ごみはにおいが漏れないように密閉し、必ず収集日の朝に出す
・ヒグマが身を隠せないように草刈りをする など
[山に入る時は]
・クマ鈴や携帯ラジオなどで音を出し、人がいることをヒグマに知らせる
・複数人で行動し、食事は見晴らしの良い所で取るなど など

▽出合ってしまった時は
・絶対に走って逃げない。ヒグマから目を離さず、落ち着いてゆっくり後ずさりする
・子グマを見ても近づかない(近くに母グマがいる可能性が高い)
・至近距離に来たら、クマ撃退スプレーを使う など

◆さっぽろヒグマ基本計画2023
市では、人とヒグマの生息場所のすみ分けを目指す「ゾーニング管理」の考え方のほか、被害を減らすための対策などを定めています。

詳細:環境共生担当
【電話】211-2879

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