町史資料調査室・研究員/青木隆夫
◆No.22 夕張鉄道継立駅の「百合まんじゅう」
1月に釧路市立博物館で元JR東日本の広報にお勤めだった、駅弁の掛け紙研究家でコレクターの泉和夫さんの講演会が行われました。
「掛け紙」は弁当や菓子を包む素朴な絵柄などがデザインされた包装紙です。その膨大な掛け紙コレクションの中に栗山の駅売り菓子の資料があることを知りました。一つは栗山駅での駅売りはなくなりましたが、今も販売されている「栗まんじゅう」と、もう一つは夕張鉄道(夕鉄)の継立駅で販売されていた「百合まんじゅう」です。掛け紙はいずれも戦前のもので、どちらも定価は15銭。
「百合まんじゅう」の掛け紙には「継立名物元祖百合まんじゅう」とあり、百合の花と百合根の絵が描かれています。「春は常正寺の桜の花見、夏は角田の水田の景、秋は錦沢の紅葉見物、冬は坊主山のスキージャンプ」と、継立駅周辺の観光スポットのコピーも添えられ、さらに「本品原料ハ当地ノ特産物ニシテ年産價額(かかく)参十万円」と戦前から栗山の名産だった角田百合根の紹介も書き込まれています。
何気ない「掛け紙」資料の中に栗山町史の一コマが残されていました。
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※二次元コードは本紙P.12をご覧下さい。
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