町長コラム No.3

6／33

浦幌町長　井上亨

「あれ?昨夜の晩御飯は何を食べたっけ?」
皆さんもこんなことはないでしょうか。ご飯ぐらいならまだしも、もっと大切なことも忘れてしまうことがあります。
例えば役場職員のケースでは、過去の異動した職場で一緒に仕事をした職員が誰だったか思い出せないことがあったり、庁舎内の配置も過去からかなり変わってきているので「たしか農業委員会は1階のこの辺だったな」と曖昧になっていることが多々あります。
また、街並みも私が役場に奉職した30年前に比べると相当な変化がありました。しかし、当時の状況が鮮明に思い浮かぶかと問われれば残念ながら答えはNOです。
開町から今年で124年を数えます。これまで先人達が歴史を紡いできた結果として今の本町があることを考えた時、間違いなく今見ている景色は貴重な財産と言えるでしょう。この瞬間もいつかは過去のものになることは避けられませんが、それを頭の中の記憶だけで残し、年月の経過とともに風化させてしまうとしたらそれは先人に申し訳が立ちません。
この度、6月の補正予算において「広報補完用映像撮影料」を追加要求させていただきました。これは、町のお祭り、イベント、日常の風景や町民の様子などを動画で撮影し配信する内容です。町の紹介にもなりますが、何よりもアーカイブ(記録を保存し未来に残すこと)として必要な事業だと考えています。
人間は忘れる生き物であるとよく言われます。だからこそ忘れてはならないことは機械に頼ってでも残すべきだと思うのです。
もしかしたら校庭に埋められたままのタイムカプセルなんてことがあるかもしれません。貴重な思い出を失わないように「記憶」を「記録」へと変えていきたいと思います。

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