■日本最古の副葬品(ふくそうひん)
令和3年7月に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録され、巷(ちまた)では縄文ブームが起きているとか。知内でも同じ時期に人がいたんですよ、と言いつつ今回はもっと前から住んでいた人の話です。
昭和58年、海峡線の工事にあたりルート上に遺跡が見つかり、発掘調査を行いました。今の道の駅のあたりになります。そのうち湯の里4遺跡から土壙(どこう)(土を掘った跡)が見つかり、中からは石器やコハク製の装飾品などが見つかりました。骨などは見つかりませんでしたが、この場所はお墓の可能性が高いとされました。見つかったものは亡くなった人を埋葬した時に一緒に埋めたもの、副葬品と考えられます。縄文時代より前の旧石器時代、およそ2万年前のものということです。
当時縄文時代より古いお墓は見つかっておらず、また、原材料が地元のものでないことから当時の交易の様子を探る貴重な資料ということで、これらは平成3年に重要文化財に指定されました。
ちなみに平成29年に沖縄県の白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡で見つかった2万7千年前の人骨を含む場所がお墓であると発表され、「日本最古の『墓』」とは言えなくなってしまったのは少し残念なのですが。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>