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自治体の皆さまへ

工藤市長の所信表明(2)

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北海道稚内市

■【3つ目の柱】市民が笑顔の「基盤づくり」
行政面積が広く、地形に起因して市街地が分散している本市だからこそ、拠点ごとの役割や機能を定めた「稚内市立地適正化計画」に基づき、計画的に整備を進めていきます。

◆市役所新庁舎を核とした中央地区の再生と南稚内駅前の整備
市役所新庁舎の建設位置である中央地区は、このまちの「中心市街地」として、様々な都市機能が集積するほか、北防波堤ドームなどの観光施設も立地しており、市民や観光客など多様な方々が訪れる地区です。

「立地適正化計画」では、新庁舎整備を核とした商業を含む各種機能の充実や、キタカラを中心とした観光拠点の形成を掲げており、新庁舎整備と駅前通りを連動させた都市軸や、公共・公益機能の連携拠点の形成、既存施設も活用した官民連携による商業の活性化など、まちの顔として魅力的な都市拠点づくりを目指します。

また、南稚内駅前の整備については、旧海員会館の後利用とあわせて、オレンジ通り商店街の活性化を含め、地域の皆さんや商工会議所など関係団体とともに、今後のグランドデザインを検討していきます。

◆空港・港湾・鉄道・道路のネットワーク強化による交通網整備
稚内空港については、空港を運営する北海道エアポート株式会社と協力しながら、集客力・利便性の向上に努めるとともに、「横風対策滑走路の新設」などの懸案事項については、引き続き国に働きかけていきます。

また、国道からのアクセス道路の整備など、ハード面も含め、関係者と連携して検討します。

港湾については、稚内港の航路・泊地の浚渫や宗谷港の係留施設の整備など、港湾機能の維持・充実に向け、今後も国に対しても要望しながら進めていきます。

また、クルーズ船の誘致は、本市を訪れていただいた多くの方が、消費を生み出すことで、地域経済の活性化に繋がるよう、官民連携による積極的なポートセールスを進めます。

JR宗谷線については、「2024年問題」を見据えた物流での活用や、患者移送など医療面での活用、国防という観点での鉄道の重要性も改めて国に訴えながら、JR宗谷線の維持存続に向けて取り組みます。

本市と旭川・札幌圏とを結ぶ大動脈である「国道40号」の高規格道路としての整備については、昨年度から中川ー天塩間の整備のための計画段階評価が着手されたところです。今後も、残るミッシングリンク区間が解消され、稚内ー名寄間の全面整備が早期に実現するよう、関係機関とも連携しながら取り組みます。

こうした整備を進め、脆弱性を補完し合える交通ネットワークを形成していくためには、併せて二次交通の充実を図ることが重要であり、バス運行も含めた交通網を構築することで、地域住民や観光客の利便性を高めていきたいと考えています。

◆稚内中学校の建設、跡地利用
稚内中学校は、稚内中央小学校に隣接して建設することとし、本年度から建設工事に着手、令和7年9月末の校舎完成に向け、計画的に進めているところです。

また、現稚内中学校を解体したあとの空き地については、その広さや交通の便の良さを活かした活用方法の検討を進めます。

■【4つ目の柱】未来を担う「人づくり」
◆わっかない人の育成
本市が発展し続けていくためには、この街の将来を担う子どもたちが、確かな学力とともに、主体的に未来を切り拓いていく力を身に付けるための教育が必要です。また同時に、ふるさとへの誇りや愛着を育むことができるよう、教育活動の充実を図ることで、次代を担う「わっかない人」の育成に挑戦します。

◆中央小学校・稚内中学校における義務教育学校の実現
稚内中央小学校と稚内中学校は、約2年間にわたり検討いただいた、「在り方検討会」からの答申のとおり、義務教育の9年間を通して、環境を変えることなく学べ、子どもたちの学力向上や健やかな成長が期待される「義務教育学校」を目指しているところであり、引き続き、円滑に移行できるよう進めます。

■【5つ目の柱】市民が誇れる「ふるさとづくり」
このまちには、「日本のてっぺん」という、内外に共通で認識される、確固たるアイデンティティと、国境に面しているからこその「北のゲートウェイ」になり得るポテンシャルがあります。そのような地域の特殊性や魅力、強みを広く知ってもらい、より多くの方にこの地域を訪れていただくため、既存の観光地の磨き上げや、新たな交流人口・関係人口増加のための取組などを積極的に進めます。

◆宗谷岬周辺の整備
日本のてっぺん宗谷岬と、北海道遺産に認定されている宗谷丘陵には、毎年多くの観光客が訪れています。

宗谷地区には、基幹産業である漁業基地や広大な面積を有する宗谷岬牧場があり、「食」の宝庫であるほか、日本でも有数の風力発電の風車群やホタテの貝殻を敷き詰めた「白い道」、建造物や記念碑など、本市を代表する「食」、「自然」、「歴史」、「環境・エネルギー」など多くの資源があります。これらの魅力を高めるため、現状の課題などを整理しながら、基本構想を策定し、必要な整備を進めていきます。

◆関係人口・交流人口の拡大
今後のまちづくりを考える上で、まちの外から本市の取組を応援してくださる「稚内市の応援団」の力を活用させていただくことが重要だと考えています。このまちに訪れた方からいただいた寄附に対し、すぐその場で何らかのサービスとして還元できるような、訪問・体験型のふるさと納税の仕組みなどについて検討を進めます。

また、「企業版ふるさと納税」の各企業へのアピールや、自治体と企業が、特定の分野にとどまらない幅広い連携を進めるための「包括連携協定」なども積極的に進めていきたいと考えています。

さらに、遊休資産などを利用したまちづくりの提案の活用や、サテライトオフィスを開設し、本市とのつながりのある企業に働きかけ、利用していただくなど、直接的な結びつきを深める取組も進めていきます。

■むすびに
今から5年後の2028年、現行の「第5次稚内市総合計画」の目標年次であるこの年は、1949年の市制施行から80年目の年でもあり、次の飛躍を誓いあう歴史の大きな節目を迎える年でもあります。

私に求められる役割は、次に向かって誇ることができる、より確かなまちの姿を示すことであり、何よりも、このまちに暮らす次の時代の全世代の市民に、「住んでよかった」、「住み続けたい」と思っていただけるよう、全力でその任を果たすことだと考えています。

先人から受け継いできたこのまちを、より良い形で次の世代に引き継いでいくため、私はこれからの4年間、皆さんの先頭に立ち、後世に確かな「道しるべ」を残せるよう、邁進していくことをお約束するとともに、市民の皆さん並びに議員各位の特段のご支援、ご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

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