■令和5年度 健康づくり講演会
9人にひとりが私でした〜もしもあなたが乳がんになったら〜
【講師】
HTB北海道テレビ放送株式会社 東京支社
編成業務部長 SODANE編集長
阿久津 友紀氏
乳がん患者さんの取材者から当事者になった阿久津友紀氏を講師に、7月1日(土)健康づくり講演会が開催されました。
今回は、乳がんと告知されてから治療し仕事復帰していく中、家族や職場、取材を通して知り合った同じ乳がんの方々とのつながりなど、ご自身の経験を元にご講演いただきました。
日本では年間9万人の人が乳がんに罹患しており、日本人女性の9人に1人が生涯の間に乳がんにかかります。乳がんは、可能な限り早期に発見することが、その後の生存率を高くするので、時間を作り、がん検診の受診が大切だと繰り返しお話ししていました。
また、がんの治療は多様で、増殖のスピードや遺伝子等の性質によって治療方法も違います。インターネットで情報収集する時は、正しい情報を提供するサイトの活用など、がんに関する理解を深めました。
▽乳がんの高リスク
・40歳以上
・初潮が早く(11歳以下)閉経が遅い(55歳以上)
・初産が30歳以上
・出産経験がない
・閉経後の肥満
・乳腺疾患にかかったことがある
・家族(祖母・母・姉妹)に乳がん、卵巣がん
▽乳がん病期別相対生存率(5年生存率)
参考:全がん協生存率調査(2011-2013年診断症例)
◎がんは早期発見をすることで生存率が高まります。ぜひがん検診を受けましょう。
◆自分らしく生きるために大切なこと
1.通院や治療内容、治療費用など信頼できる情報を得ること。がん情報センターやがん相談支援センターなど活用しよう。
2.友とつながる。同じ病を抱える者同士大きな支えになるので、色々な方とつながってほしい。
3.気分が落ち込んだ時は、太陽に向かって顔を上げて過ごすだけで、気分が変わるので試してみてほしい。
▽がん患者への接し方
・やさしくする
・元気づける
・これまで通り
・そっとしておく
↓
治療中の方がいたら、「何かできることある?」と聞いてもらえると、助けてもらいたいことを伝えやすいです。
▽SOSの出し方
気づいてほしいけど、他人は気づかないこともある
できないことは周囲に助けてもらう!
↓
治療中の方はSOSとして、助けてもらいたいことをはっきりと周囲に伝えましょう。
◆科学的根拠に根ざしたがん予防ガイドライン
「日本人のためのがん予防法(5+1)」
▽確実に効果が期待できるような生活習慣改善法
・禁煙する
・節酒する
・食生活を見直す
・身体を動かす
・適正体重を維持する
・感染症の検査を受ける
*食生活は野菜や果物などバランスよくとりましょう。
*ピロリ菌や肝炎ウイルスなどガンの原因になる感染症の検査が大切です。
出典「国立がん研究センターがん情報サービス」
◆講演会に参加された方の感想
〇がん検診の受診率が道内はほとんど50%以下という受診率の低さに驚きました。自分もがんの手術をしたのですが、「病気でも心は健康であれ」をモットーにしています。
〇「知ることから、すべて始まる」という言葉から講演が始まりましたが、患者になった時の人との関わりの大切さ、患者との接し方、人生に役立つものと思います。
〇しこりが1cmになるまでに10年以上かかるのに、1cmから2cmになるのには、1~2年と聞いて定期的に検診を受けようと思いました。
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