■ポスト・サミット・アドベンチャーの受け入れについて
9月10日から14日にかけて、「アドベンチャートラベル・ワールドサミット北海道・日本」が、アジアでは初めて札幌で開催され、私も参加してきました。
本サミットは、年に一度開催されるアドベンチャー・トラベル業界の世界大会ということで、今回の大会には、欧米をはじめとする旅行事業者や報道関係者、あるいは政府観光局、関係企業など、64の国と地域から約800人の参加がありました。
アドベンチャー・トラベルというのは、「アクティビティ」、「自然」、「異文化体験」の3つの要素のうち、2つ以上で構成される旅行と定義されているところですが、一般的な観光旅行より長期滞在が見込まれ、観光消費額も大きい傾向にあるということで、地域への経済効果が大きい点が特徴でもあります。
きた・北海道DMOの対象地域である、稚内・利尻・礼文エリアにおいても、このアドベンチャー・トラベルを定着させようと、このたび、この大会の後に、大会参加者を対象に開催される「ポスト・サミット・アドベンチャー」と呼ばれる体験ツアーの受け入れを行いました。
アメリカ・カナダなどから報道関係者などが参加した、当地への体験ツアーでは、当日の悪天候の影響を受け、宗谷丘陵周辺のサイクリングは中止を余儀なくされましたが、このエリアの自然景観や食など、ポテンシャルの高さに対し、大変高い評価をいただいたところです。
今回のポスト・サミット・アドベンチャーの受け入れを契機に、来年度、指定50周年を迎える「利尻・礼文・サロベツ国立公園」など、この地域の魅力を活かしながら、これまで主体だったアジアからのツアー客のみならず、欧米からの個人客に対する受け入れ体制の強化を図っていきたいと考えています。
■水産物消費拡大に係る全国からの支援について
本年8月24日、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の排出が開始されたことを受けて、中国では日本産水産物の輸入を全面停止しました。
このことに伴って、本市においても、特にホタテ貝に関しては、価格の下落、あるいは在庫の増加などの影響が生じ、漁業者、水産加工業者のみならず、運送業者や資材業者など関連業界にも影響が波及したことは、9月定例会において述べたとおりです。
そのような状況の中、本市と交流のある自治体から、本市水産業を応援したいというお話をいただいており、水産関係者からも感謝の声が上がっています。
まず10月上旬、群馬県太田市から、ホタテ玉冷約4万個を12月の給食で使用したいとのお話がありました。
市内水産加工業者の中で在庫を抱える業者から、太田市の支援の主旨に沿って本市が調整し、6社から調達した約1トンのホタテを取りまとめ、11月30日に発送することとしています。
また、間宮林蔵で交流のある、茨城県つくばみらい市からも、同様のお話をいただいており、来年2月の提供に向け、現在、調整を進めているところです。
さらに、ふるさと納税においても、本年9月の1か月間にいただいた寄附のうち、返礼品としてホタテが選ばれたものは、前年と比較して、金額ベースで6・3倍の約1億5千万円、件数では7・1倍の約1万2千件と大幅に伸びており、交流のある自治体のみならず、個人からの応援も、大変多くいただいているものと認識しています。
こうした全国からの応援を受け、本市としても、基幹産業の一つである水産業や関連産業を守る観点から、すでに着手している、市の広報媒体を使った消費PRの実施、あるいは、学校給食でのホタテ提供などをはじめとして、今後の動向を見極めながら、消費拡大に向けた取組を進めていきたいと考えています。
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